三菱ふそうトラック・バスは、21年ぶりにフルモデルチェンジする大型トラック「スーパーグレート」に採用する新技術を発表した。運転支援機能など先進装備による安全性改善、燃費性能や操作性の向上を実現する。
三菱ふそうトラック・バスは2017年2月28日、21年ぶりにフルモデルチェンジする大型トラック「スーパーグレート」に採用する新技術を発表した。運転支援機能など先進装備による安全性改善、燃費性能や操作性の向上を実現する。
ディーゼルエンジンとトランスミッションを新開発した。ディーゼルエンジンは排気量7.7l(リットル)と10.7lの2種類で、平成28年(2016年)排出ガス規制に適合している。オートクルーズ機能を使用中に、地図情報によって勾配を予測して最適な燃料噴射と変速を制御する「パワートレイン3D予測制御」も組み合わせ、燃費性能を向上させる。オートクルーズ機能は自動で停止・発進も行い、ドライバーの疲労を軽減する。
排気量7.7lのエンジンは、「2ステージターボチャージャー」の採用により、小排気量ながら十分なトルクと出力を実現した。2ステージターボチャージャーは高圧の小型ターボと低圧の大型ターボを組み合わせたもので、速度や負荷によって使い分ける。
このターボチャージャーや燃焼室の改善、高圧コモンレールシステムによって燃焼を最適化している。また、再生制御式DPFと尿素SCRを組み合わせた新「BlueTecシステム」と、「AdBlue噴射装置」が燃費改善と排出ガス低減に貢献する。アイドリングストップ機能も搭載する。
排気量10.7lのエンジンは、最適化したアシンメトリックターボチャージャーと新BlueTecシステムを組み合わせて燃費性能と排出ガスの低減を両立した。新しいEGRバルブや第2世代の増圧式コモンレールシステムも燃焼の最適化に貢献している。
トランスミッションはAMT(自動マニュアルトランスミッション)を設定する。新型スーパーグレート向けに最適なチューニングを行い、変速を滑らかにした。半クラッチ状態をきめ細かく制御することで、トルクコンバーター式ATのようなクリープ走行も可能になった。渋滞など低速での操作が容易になる。坂道発進補助装置やヒルホールド機能も追加した。
国内初となる巻き込み防止アシストを搭載する。走行中に左方向の歩行者や自転車を検知すると助手席側のピラーのランプが点灯して警告、そのままハンドルや方向指示器を操作すると警報音で注意を促す。
衝突安全に向けては、停止車両や歩行者への衝突の可能性を警告する自動ブレーキを搭載する。ドライバー監視システムは赤外線カメラを追加した。赤外線カメラで顔の動きを捉え、わき見やまぶたの動きを感知して注意力低下を警告する。
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