Daimler(ダイムラー)は、商用車向けの自動運転技術「Highway Pilot」を搭載する試作車「Mercedes-Benz Future Truck 2025」を公開した。Highway Pilotという名称の通り、高速道路を走行する際にドライバーに掛かる負荷を減らすための自動運転技術で、2025年までに実用化を目指す。
Daimler(ダイムラー)は2014年7月3日(欧州時間)、商用車向けの自動運転技術「Highway Pilot」を搭載する試作車「Mercedes-Benz Future Truck 2025」を公開した。Highway Pilotという名称の通り、高速道路を走行する際にドライバーに掛かる負荷を減らすための自動運転技術となっている。同社は2025年までにHighway Pilotの実用化を目指す方針だ。
Highway Pilotは、車両前方と側方に設置された複数のレーダーとダッシュボード上に設置されたステレオカメラ、正確な3次元地図、車車間通信/路車間通信技術を組み合わせて実現している。Highway Pilotによって自動運転している間は、時速80kmで走行し、前方車両との車間距離も60mを維持できる。ただし、追い越しを行う場合はドライバーが手動で運転する必要がある。

アウトバーンA14号線で披露された自動運転トラックの試作車「Mercedes-Benz Future Truck 2025」。自動運転技術「Highway Pilot」を使って実際に走行するデモも披露された(クリックで拡大) 出典:ダイムラー試作車は、大型トラックの「Mercedes-Benz Actros」をベースに、各種センサーや自動運転のための制御システム、情報表示用のディスプレイメーター、タブレット端末などが搭載されている。
車両前方のレーダーは、長距離と近距離を検知するセンサーから構成される。長距離用は距離250m/角度18度、短距離用は距離70m/角度130度の範囲の検知に対応している。これらのセンサーは、現時点でも、追従走行や自動ブレーキなどに用いられている。また、側方のレーダーは、距離60m/角度170度の範囲を検知可能である。
ステレオカメラの検知範囲は、距離が100mmで、角度が水平方向45度/垂直方向27度となっている。道路の車線数や歩行者などの移動体、障害物、路面状況、信号、道路表示のなどさまざまなものを検知するのに用いられる。ステレオカメラによって得た情報が、自動運転を行う上で重要な役割を果たしているという。
これらのセンサー情報を融合し、中央コンピュータの高性能マルチココアプロセッサで処理することで、車両の周囲の状況をリアルタイムで把握できるようになるので、自動運転が可能になるというわけだ。
車車間通信と路車間通信には、5.9GHz帯を用いる無線LANベースの通信技術(802.11p)を用いる。車両の周囲500mまで通信が可能だが、その範囲内に通信可能な車両やインフラがない場合には3GやGPRSなどの携帯電話通信技術を使う。
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