日本で行う路上走行試験で取得すべきデータは以下の通り。
CO2濃度、NOx濃度、排気質量流量はPEMS(車載式排出ガス測定システム)で、エンジンの状態や故障の有無、シフト情報などはOBD2コネクターを通じて取得する。
試験機関が測定結果の検証に必要だと判断した場合、任意で測定項目を追加することもできる。OBD2コネクターやPEMS、汎用ツールで取得できないデータは、自動車メーカーが専用ツールを用意するよう求める。
日本では当面、NOxのみを評価対象とする。欧州では粒子状物質(PM)も対象だが、ディーゼル車のNOx排出量が台上試験と実走行で乖離していることを優先して解決するためだ。
国土交通省と環境省は、日本の環境を踏まえて欧州RDE試験から実施方法を一部変更する案として検討している。主な変更案は以下の通り。
欧州では地形図上、都市内・都市間・高速道路が明確だが、日本では都市内と都市間を区別するのが難しい。そのため一般道と高速道路でルートを設定する。ルートは、WLTPで想定する走行パターンに準じて、一般道路から高速道路へ行く順序とする。
日本で実施する場合は、最高制限速度とWLTPの走行パターンに準じて走行ルートの比率を決める。具体的には、時速40kmまでの低速区分を20〜35%、時速40〜60kmの中速区分を30±10%、時速60km以上の高速区分を45±10%とする。低速区分と中速区分が一般道の走行を想定したものとなる。
WLTPの走行パターンでは、時速40km以下が低速フェーズの7割を、中速フェーズの8割が時速40km以上であることから、時速40kmを基準に路上走行テストの低速区分と中速区分を区切る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.