触覚を使った屋内ナビゲーションの実証実験を開始組み込み開発ニュース

NTTデータ、NTTデータイタリア、NTTは「触覚を使った屋内ナビゲーション」の実証実験を開始する。触覚刺激による牽(けん)引感覚生成技術と、地磁気を用いたインドアマップ・ナビゲーション技術を組み合わせたもので、振動により直感的な誘導ができる。

» 2017年02月27日 08時00分 公開
[MONOist]

 NTTデータ、NTTデータイタリア、日本電信電話(NTT)は2017年2月13日、「触覚を使った屋内ナビゲーション」の実証実験を開始すると発表した。2017年春に、イタリアでの実証実験を予定している。

 同ナビゲーションは、NTTが開発した触覚刺激による牽引感覚生成技術「ぶるなび」と、NTTデータイタリアがパートナーシップを持つ「GiPStech(ジップステック)」の地磁気を用いた「インドアマップ・ナビゲーション技術」を組み合わせた。地磁気ナビゲーション専用のアプリケーションを入れたスマートフォンから、牽引感覚生成技術「ぶるなび」が搭載されたデバイスにBluetooth経由で進行方向を指示する。これにより、地図に頼らず直感的な誘導ができる。

 地磁気を活用するため、新たに専用の設備を設置する必要がなく、導入時の初期投資を抑えられる。独自アルゴリズムにより磁場の乱れの影響を受けにくく、高精度のナビゲーションが可能だ。既存のWi-FiやBeaconと組み合わせることもできる。

 ぶるなびは、特殊な非対称振動で誘導するため、画面を見なくても進行方向が分かる。また、ぶるなびを搭載したデバイスは、スマートフォンケース型になっており、複数デバイスを持つ必要がない。

 イタリア国内での実証実験は、製造業のユーザーと実施する。暗闇や煙霧の状況から避難誘導をし、方向指示の制御性やユーザビリティから有効性を確認する。3社は今後、2017年6月末までの実証実験で得られた結果を踏まえ、性能の向上や新たな商用サービスの提供について検討していく。

 近年、屋外に加え、GPS信号が届かない屋内での位置情報サービスのニーズが高まっている。従来のナビゲーションでは、地図表示画面による案内が課題となり、利用シーンが限定されていた。

photo 触覚を使った屋内ナビゲーション概要
photo システム構成イメージ

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