トヨタ自動車は、燃料電池車「ミライ」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは2014年11月〜2016年12月に製造した1455台。海外市場からの情報で発見された。国内市場では不具合は出ていない。
トヨタ自動車は2017年2月15日、燃料電池車「ミライ」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは2014年11月〜2016年12月に製造した1455台。
リコール原因は、燃料電池システムのFC(燃料電池セル)昇圧コンバータの昇圧制御にあった。制御が不適切なため、長い下り坂を走行中にFC昇圧コンバータの出力電圧が最大制御電圧を超えることがある。そのため、警告灯が点灯するとともに燃料電池システムが停止し、走行不能になるおそれがあるという。
市場での不具合発生件数は0件で事故も発生していない。海外市場からの情報で発見された。
改善措置は、全車両で、制御プログラムを修正する。
ミライのFC昇圧コンバータは、水素から発電を行うFCスタックと、FCスタックで発電した電力を走行用モーターの動作に必要な電圧である650Vに高める昇圧コンバータを一体化したユニットだ。
低コスト化を図ったミライは、走行用モーターやインバータなどのパワーコントロールユニット、ニッケル水素電池をはじめ既存のハイブリッド車の部品を数多く流用している。しかしFC昇圧コンバータはミライ向けに新規開発した部品になる。
今回のリコールは、燃料電池車であるミライが国内外で一定台数が普及し、ユーザーの活用範囲が広がったことにより、開発時点で洗い出しきれなかった不具合が発生したとみられる。
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