バッシ氏は「製品のイノベーションは顧客のために作り出すエクスペリエンスから生まれる。それを容易に作り出せるプラットフォームが必要だ」と語る。ソリッドワークスはこのプラットフォームとして、スタンドアロンで使用できる従来通りのデスクトップソリューションを基軸に、3Dエクスペリエンスプラットフォームとの連携や、クラウド上だけで運用できるアプリケーションなどを用意しているという。
ここからバッシ氏は矢継ぎ早に開発中のソリッドワークスの新機能を紹介した。まずは、ダッソー・システムズの「SIMULIA」ブランドとの協業によるトポロジー最適化機能である。これにより、設計から検証、製造の最適化までを一気通貫で行える。また、3Dプリンタ時代に対応すべく、nTopologyという企業の技術を用いた微細格子形状の自動生成も行えるようにする。
3D CADによる設計から製造をそのままつなげる「スマート製造」に向けた重要な機能として、全てのバージョンのソリッドワークスで利用可能なCAMソフトウェア「SOLIDWORKS CAM」を投入する。これに、製造情報を3次元で伝えるモデルベース定義が可能な「SOLIDWORKS MBD」と組み合わせれば、ソリッドワークスで3D CADデータを作成すればそのまま製造プロセスに移行できるという。
前回の「SOLIDWORKS World 2016」で発表した、クラウドベースの新たな設計ツール「Xdesign」は開発中の段階。ユーザーが求める要件定義に対して、最適な設計を提案する「デザインガイダンス」という機能が最大の特徴になる。「デザインガイダンスが当たり前になってくると、CADのAはAided(支援)ではなくAugmented(拡張)になるのではないか」(バッシ氏)とした。
なお、トポロジー最適化機能とSOLIDWORKS CAMは、2017年9月発表予定の次期バージョンのソリッドワークスから採用される予定である。他の機能の投入時期は明らかにしていない。
講演の最後にバッシ氏は「先ほどのイリュージョンで、私はソリッドワークスに命を預けた。皆さんのビジネスもぜひソリッドワークスに預けてほしい」と強調した。
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