RZ/G Linuxプラットフォームで注目すべきは、クラウド上で実現した開発ツール、動作検証済みミドルウェア、対応評価ボードなども含めて、さまざまなパートナーと連名で発表を行っている点だ。
クラウド上で実現した開発ツールについては、クラウドに日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」を採用し、環境整備と運用ではソフトバンク・テクノロジーとミラクル・リナックスの協力を得たとしている。
ミドルウェアは、NECの顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」、NECソリューションイノベータの性別・年齢自動推定システム「FieldAnalyst」、図研エルミックのネットワークカメラモニタリング用ONVIFプロトコル「Ze-PRO IPmon」と同RTPプロトコル「Ze-PRO RTP」を動作検証済みとしている。
同プラットフォームに対応するRZ/Gシリーズの評価ボードを提供予定のパートナーとして、アイウェーブ・ジャパン、日立超LSIシステムズ、アルファプロジェクト、シリコンリナックスなどを挙げており、さらにこれらの評価ボードはそのまま量産製品に組み込むことが可能ともしている。
またGUI開発のフレームワークとして広く用いられているQtについても、Qtのバージョン5で初の長期間サポート版となったQt5.6を採用した。Qtの動作検証はSRAが実施した。
ルネサスは、これまでもSoC製品の評価用にLinuxプラットフォームを提供していたが、ここまでエコシステムの環境整備を前面に押し出した例は少ない。同社は2014年5月にLinux Foundationのゴールドメンバーとなってから、産業機器向けの長期メンテナンスカーネル(LTSI)に関する活動に力を入れており、車載Linux「Automotive Grade Linux(AGL)」の開発にも積極的に関与している。今回の発表は、これらのLinux関連のオープンソース活動を、製品展開に積極的に絡めたものといえるだろう。
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