それでは、中信紙工の内部を紹介してまいりましょう。入り口では段ボール製の木馬とカンガルーがお出迎えしてくれます。
これは段ボールを打ち抜く抜き型で、通称「トムソン型」や「ビク型」と呼ばれています。
抜き型は合板のベースにレーザーで切込みを入れて刃を埋め込んだものです。点在する緑のスポンジは「跳ね出し」と呼ばれるもので、この弾性によって刃が通った段ボールを跳ね返して抜き切るのです。
型を使って製造するものは量産品で、完全抜き、ハーフカット、筋入れなど、用途に応じた仕様が可能です。小ロットや試作の場合は、後にご紹介するサンプルカッターやレーザー加工機を使って短納期対応を行っています。
厚手の強化段ボールを折り曲げて筒を作る際、単に垂直の溝をいれただけでは曲げの内側で干渉が起きてしまうのでV字カットをします。
これは八角形の筒を展開したものなので、両端面を45°に切り落とし、同じく45°のV字カットを7カ所に入れています。
この強化段ボールはベニヤ板レベルの強度を持ち、しかも軽量なのでワレモノや精密機器の輸送にうってつけの材料です。
見渡すと、応接室は段ボール造形製品の展示場のようです。ボーリングのピンや歴代のコマ大戦テーブルがあったり……。
段ボールハウスや、偏心させた円盤を貼り合わせて捻りを加えた円筒状のオブジェがあったり……。
レーザー加工機による木製パズルや……
大きなアゲハチョウが羽を休めていたり……
カボチャをかたどった「猫ちぐら」(ネコの寝床)あったり……
……などなど、ぬくもりにあふれる段ボール造形品の数々が並んでいました。
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