上記のあるべき姿を実現する手段として物の所在や配送状況の見える化をリアルタイムでより具体的に行う取り組みが盛んになっております。
重要なのは「収集する情報の粒度」「距離」「経路の複雑さ」により収集手段を選択することです。大きくは次の2つの手段に分かれます。
(1)箱や台車に挿すかんばんや現品票にバーコードを付ける
作業員がキーボードインタフェースまたはハンディターミナルを使って、バーコードを読み込んで情報収集するのが一般的です。かんばんケースにバーコードを印字して、ケースに入れるのが通常の方法です。顧客指定伝票で納品する際に誤品混入の防止の目的で誤品照合を行うため、人手を介して情報収集を行います。
バーコード→2次元バーコードの利用で読取時間短縮や精度向上が図られてきました。RFIDについては、リライトやかんばんを使いまわしできる方法で使用枚数を抑えることが可能な範囲では利用されています。回収不可能な長距離の範囲ではコスト的にまだ現実的ではありません。
(2)コンテナ、箱や台車にRFIDのチップをつけて、ゲートやRFIDセンサーで所在を自動的に情報収集する方法
この方式もよく利用されてきています。箱については物流経路が複雑になると物流過程で所在が不明確になることが多いので、箱の入出庫管理ができる範囲での運用を行う必要があります。
情報収集はゲートや天井の無線アンテナからの自動収集が可能となっていますが、RFIDとの距離が長くなると読取精度が悪くなるため、現在は実証実験を行っているケースを良くお聞きします。大事なのは100%読取保証ができることです。
鉄道でも、線路にRFIDリーダーを付けてある地点を通過すると高速移動中でもデータの読み取りができるようになってきています。このため、インフラが整えば鉄道、船、車で輸送している情報の収集も可能になると想定されます。
これは、輸送しているドライバーに渋滞や新しい道ができた時に最適なルートをGPSで知らせることで日々の輸送を効率化する方法となります。
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