前置きが長くなりましたが、このTP7291Pを2個使ってバイポーラ型のステッピングモーターを回してみましょう。次の図が、Arduino NanoとTP7291Pでバイポーラ型のステッピングモーターを駆動する回路です。
GPIO2からGPIO3を制御する端子に使っています(これは前回のプログラムがそのまま動作するように回路を組んでいるからです)。次の図がブレッドボードに上記回路を実装した図と実際の写真です。
左側に出ている赤と白のリード線は、モーター駆動用の12V電源につながっています。右に伸びている2本の赤い線と緑の線は、ステッピングモーターにつながっています。回路図には実装していませんでしたが、下の図にはタクトスイッチが見えます。これはモーターの回転方向を決めるためのものです。
次のリストは上記回路でバイポーラ型ステッピングモーターを駆動するプログラムです。制御信号がオーバーラップするように組んでいます。詳しくは前回記事の説明を参考にしてください。
void setup() { pinMode(2, OUTPUT); pinMode(3, OUTPUT); pinMode(4, OUTPUT); pinMode(5, OUTPUT); } void loop() { digitalWrite(3,LOW); digitalWrite(2, HIGH); delay(5); digitalWrite(5,LOW); digitalWrite(4, HIGH); delay(5); digitalWrite(2, LOW); digitalWrite(3, HIGH); delay(5); digitalWrite(4, LOW); digitalWrite(5,HIGH); delay(5); }
今回は本来直流ブラシ付きモーターの正転・反転制御に使われる「TP7291P」というモータードライバデバイスを2個使って、バイポーラ型ステッピングモーターの駆動に挑戦してみました。電圧極性を反転させるデバイスを2つ組み合わせれば、バイポーラ型ステッピングモーターを駆動できることが理解できたかと思います。
次回はオープンソース系3Dプリンタなどのステッピングモーター制御では定番のモジュール「A4988」を使って、バイポーラ型ステッピングモーターを駆動してみます。お楽しみに。(次回へ続く)
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