MONOist IICではテストベッド活動を非常に重視していますね。
ソーレイ氏 新たな仕組みを普及させるには、アーキテクチャの策定やユースケースの創出などがあるが、ユーザー企業にとって最も必要なのは、すぐに効果の生み出せるベストプラクティス(実運用レベルで最も効率の良い手法)を得られることだ。そのベストプラクティスを最も効率よく獲得できる活動がテストベッドだと考えている。
IoTは利用範囲が幅広い他、まだまだ成功の形が定まっていない。そのため、まずは実証実験を重ねてみて問題点を洗い出し、その問題を順次解決していく取り組みをさまざまな企業で行うことが、成功への近道だと考えている。1社でできないことでも、複数の企業であればできるかもしれない。こうしたことを積み重ねてエコシステムを構築できるようにしていきたい。
最初のテストベッドはボッシュやシスコシステムズが参加した製造業向けのもので、当初は製造業が多いと見ていた。ただ、最近ではスマートシティなどの申請が増えている。
MONOist 日本でも2015年に富士通の提案したテストベッドが承認されました※)が、さらに増えそうですか。
※)関連記事:富士通の工場向けIoT活用モデル、IICがテストベッドに承認、日本企業初
ソーレイ氏 テストベッドはどんどん増やしていく方針だ。日本や韓国、中国、南米、欧州などで増えていくと考えている。
MONOist テストベッドとして承認されたものは先進国でのものが多いのですか。
ソーレイ氏 そんなことはない。新興国は積極的にテストベッドの申請を行ってきている。例えば、チリの採掘産業のものやカザフスタンの石油産業などだ。IoTは国や地域、産業によって個別化された情報を活用できるということが最大の利点である。そうしたことを考えれば、これらの多様性をもたらすような取り組みは非常に重要だと考えている。
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