MONOist 国際連携では、ドイツのインダストリー4.0を推進する「プラットフォーム インダストリー4.0」と連携するとした方針が注目を集めました。
ソーレイ氏 ドイツのプラットフォーム インダストリー4.0とは、テストベッドの共有やリファレンスアーキテクチャのすり合わせ、標準化やセキュリティの問題など、さまざまな面でコラボレーションを進めていく方針だ。
ただ、注意してほしいのは、それはドイツに限った話ではないという点である。IICは米国で生まれたのは事実だが、米国だけの団体ではない。IICには30カ国から企業が参加しており、オープン性が何よりも重要だと考えている。もちろん米国政府との連携もあるが、これは米国に限った話ではない。中国やフランス、日本の経済産業省とも連携を進めている。日本の民間組織である「Industrial Value Chain Initiative(IVI)※)」とも連携を図るつもりだ。
国によらないという点がドイツのインダストリー4.0との違いにもつながっているかもしれない。産業用IoTの社会実装に向け、国や企業の枠にとらわれずに、グローバルでオープンな活動を進めている組織であることを訴えたい。
※)関連記事:プラットフォーム化を進めるIVI、製造業の新たなエコシステム構築へ
MONOist IICのグローバルな取り組みの一方で、IoTについてはインダストリー4.0をはじめ、政府が関わる組織や取り組みが多いように感じます。その点についてはどう考えていますか。
ソーレイ氏 ドイツや日本、そして米国なども政府が関与してくるのは、そこに雇用問題が大きく関係してくるからだ。国の産業が活性化すれば雇用が生まれる。逆に新しい流れに乗り遅れて停滞すると、雇用が失われて国の活力は失われる。
しかし、テクノロジーの面から見た場合、IoTによる技術革新は確実に国境を越える。テクノロジーは国を超えるのだ。ただ、規制や文化面の違いなどがあるのは国や地域によって当然なので、政府の支援も当然必要になる。だからこそ、政府も含めたコラボレーションが必要になる。
アップルのiPhoneが電話の世界を変え、Uberが自動車による移動の世界を変えた。これらは国ごとの議論でおさまるような話ではなかったはず。だからこそ、グローバルでオープンに、さまざまな団体や政府、企業とコラボレーションを進めていかなければならないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.