通常、1回のスキャンで完全に形状を読み取れません。そのため、複数回スキャンしたデータを重ね合わせて結合し最適化する必要がありますが、重ね合わせる際に「合成誤差」が生じてしまいます。精密なスキャニングのためには、スキャン回数を増やしてできるだけ多くのスキャンデータが必要になりますが、かえって合成誤差を大きくしてしまうことにつながってしまいます。
メーカーが公表する精度はワンショット(1回のスキャン)での精度です。例えば、カタログスペックに精度0.2mm(ミリメートル)とあっても、複数のショットを最終的に合成したときには、合成誤差が加わって精度が落ちてしまうことになります。
つまり、情報量と合成誤差はトレードオフの関係にあり、なるべく必要最低限のスキャニング回数で高い精度の形状を読み取ることが必要になります。そこには操作する人のスキャンテクニックが必要とされ、一朝一夕に身に付くものではありません。
合成誤差を小さくするには、物体形状に合わせた最適なスキャニング方法の確立とスキャナ制御ソフトウェア特性の理解など、運用ノウハウがとても重要となるのです。
3Dスキャナでスキャニングするとそのまま3D CADデータになるとつい誤解しやすいのですが、スキャンデータは点群データのため、そのまま3DCADで直接編集はできません。そのため、点群(ポリゴン)データをCADデータへ変換する必要があります。
この段階では、ただ単にデータを変換するのではなく、スキャンできなかったデータ欠損箇所の補完、修正、ノイズ処理、表面スムース処理などの操作も行う必要があります。その処理に必要なソフトウェアとして「点群(ポリゴン)編集ソフト」と呼ばれる製品があります。
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