三菱自の燃費不正、低燃費モデルで軽くした走行抵抗を基に他モデルは机上計算エコカー技術(2/2 ページ)

» 2016年04月26日 19時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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惰行法と高速惰行法の走行抵抗の測定差は最大2.3%

 2項目目は、軽自動車以外にも燃費不正が波及しかねない、国内法規に定められた測定法である惰行法と異なる高速惰行法を使用した経緯についてだ。

 1991年に、道路運送車両法によって走行抵抗の測定法が惰行法に指定された。しかし、三菱自動車ではそれと異なる高速惰行法で国内向け車両の計測を始めた。

 1992年1月に走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。そして2001年1月、惰行法と高速惰行法の比較試験を実施し、走行抵抗が最大2.3%の差にとどまることを確認した。2007年2月には、同社の試験マニュアルに、「DOM(国内)はTRIAS(惰行法)」と追記改定したが、それ以降も高速惰行法が継続して使用されていたという。

 1991年の高速惰行法の採用をはじめ、これらの判断理由は「調査中」(同社)として明らかになっていない。

 3項目目は今後の調査方針である。「上述の経緯について、一定の調査が進んだものの、原因や責任については未解明であり、引き続き調査を進める」「上述の軽自動車以外の当社製車両についても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、別途ご報告する」としている。

 国土交通省への報告書提出に併せて、今回の問題に関する特別調査委員会の設置も発表された。

 同調査委員会は三菱自動車と利害関係を有しない委員から構成されている。委員長は、元東京高等検察庁検事長の渡辺恵一氏、委員には元検事の坂田吉郎氏と吉野弦太が就任する。渡辺恵一氏は2015年12月に退官後、2016年3月に銀座中央法律事務所に弁護士登録している。また、坂田吉郎氏は2010年10月に坂田法律事務所に、吉野弦太氏は2016年4月にのぞみ総合法律事務所に弁護士登録している。

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