それでは引き続きこの図面を使って、今回のテーマへ移りましょう。今回は、形状を並べただけの三面図に必要な情報を加えて、「部品図」を仕上げていきます。この“情報の加え方”はJISのルールに従うことが原則ですが、このルールはあまりに数多いので、実際の製造現場でもその全てを完璧に網羅して運用しているわけではなく、最終的に図面を扱う加工者が誤った解釈をしないことを第一に考慮して、ケースバイケースのアレンジも見られます。そんな現実を踏まえて、ここでは「これだけは押えておきましょう」という要点の項目に絞って説明していきます。
加工者の目線に立って、あらためて先ほどの三面図を見てみます。形状だけは分かりますが、それ以外の情報が全くありませんよね。ここで最低限必要な情報としては、次の4つが挙げられます。
このうち、2の「材料の種類」と4の「表面処理に関する記述」は、図枠の中の「表題欄」」と呼ばれる部分に記載することで片付きますので、設計者に確認をしてもれなく記入します。その他、図枠の各部が表す意味は図6を参考にしてみてください。
従って、注意を払うべきは加工に直接影響する1の「寸法」と3の「許容差」ということになります。通常、寸法を省いて許容差だけを記入することはありませんので、第一歩として寸法記入のお約束を書き出してみます。
寸法記入のお約束
これらのお約束に従って寸法記入されたものが図7になります。
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