パーソナル3Dスキャナ「XYZprinting ハンドヘルド 3Dスキャナー」を使って、3Dスキャン初体験! いろいろな対象物をスキャンした結果や実際の使用感、使いこなすためのヒントなどをお届けします。
パーソナル3DプリンタでおなじみのXYZプリンティングから、ハンディタイプの小型3Dスキャナ「XYZprinting ハンドヘルド 3Dスキャナー」が登場しました。販売価格(税込)は2万2800円で、家電量販店、ECサイト、販売代理店、同社Webサイトなどから購入可能です(関連記事:ハンディタイプの小型「3Dスキャナ」が2万2800円で登場!)。
皆さんもよくご存じの通り、3Dプリンタを活用する上でのハードルの1つが、3Dデータの作成(3Dモデリング)です。製造業の現場などであれば商用3次元CADを活用して製品の設計データを作成し、産業用3Dプリンタで試作、あるいは最終製品のパーツ製造などを行うわけですが、“個人のモノづくり”を楽しむ人たち、特にモノづくり初心者の人たちにとって、3Dモデリングは大きなハードルといえます。
同製品は、こうした人たちでも気軽に3Dプリンタによるモノづくりが楽しめるよう企画されたもので、3Dプリンタの販売をビジネスの主軸とするXYZプリンティングにとってユーザーの裾野を広げるためにも重要な製品といえるでしょう。
今回、そんな新製品をいち早くお借りすることができたので、いろいろと実験しながら使用感などをご紹介したいと思います。
まずは、パッケージと同梱物から見ていきましょう。製品パッケージは非常にシンプルで、透明の窓から製品が顔をのぞかせています。さすがにパッケージ写真のような赤ちゃんをスキャンするのは難易度が高そうですが、同社の製品らしく“家庭内での利用シーン”を強く押し出している印象です。
肝心の中身ですが、製品本体とセットアップソフトウェアが保存されているSDメモリーカード(4Gバイト)、そして保証書兼クイックガイド(日本語)が含まれています。
製品本体の外形サイズは41×61×157mm(ケーブル含まず)で、重さは238g(ケーブル込み)。ボディカラーは赤色で、センサー部分はミラー仕上げになっています。手に持った感じは「これでスキャンできるのか?」と思うくらい軽く、操作ボタンも1つのみと非常にシンプルです。良い意味で“ザ・精密機器”のような堅苦しさはなく、年齢・性別問わず、誰でも気軽に使えそうな印象です(実際の使用感は後ほど)。
同製品は、ジェスチャー、音声認識、顔認識などを実現するインテルの「RealSenseテクノロジー」を採用した3Dスキャナです。
スキャンモードは、ぬいぐるみや置物などをスキャンできる「オブジェクト」モードと、人物の上半身をスキャンできる「ヘッド」モードがあります。
スキャンサイズは、オブジェクトモードが5×5×5〜60×60×30cm、ヘッドモードが5×5×5〜40×25×40cmとなります。X/Y/Z分解能は1.5mmで、Depthカメラの解像度は640×480/30FPS。利用にはPCとの接続(USB 3.0)が必須で、スキャン距離は10〜70cmとなっています。
インテルのRealSenseには、デバイスへの組み込みを前提としたカメラモジュールが3種類用意されており、今回の製品はノートPCのべゼル部分への搭載を前提とした「RealSense 3Dカメラ(F200)」(以下、F200)が採用されているようです。
F200自体は、開発者向けの「RealSense Developer Kit」として99米ドルで提供されています。主に近距離でのユーザーの顔や手の動きを認識するのに適しており、ジェスチャーコントロールの他、顔の3Dキャプチャーなどに利用できるようです。ちなみに、F200はべゼル部分への搭載が前提のセンサーなので、本来はセンサー側を固定して、対象物を動かして(回転させて)スキャンする方式となります。ただ、ハンディ型の筺体にF200を組み込んだ同製品は、基本的には対象物の方を固定して、スキャナ本体を手に持って動かしながらスキャンすることになります。実際に使用してみて、その辺りの違いがスキャン結果にどう影響するのか、少々気になるところです。
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