住友ゴム工業は、「東京モーターショー2015」において、空気充てんが不要なエアレスタイヤテクノロジー「GYROBLADE(ジャイロブレイド)」を初公開した。樹脂スポークを使った空気のいらいないタイヤでは後発となるが「高いユニフォミティを確保できており、振動が少なく乗り心地の良いタイヤを実現できている」という。
住友ゴム工業は、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)において、空気充てんが不要なエアレスタイヤテクノロジー「GYROBLADE(ジャイロブレイド)」を初公開した。
ジャイロブレイドは、金属製ホイールと特殊樹脂スポークから成る車輪の外周にタイヤのトレッド部を接着させた形状をしているタイヤである。空気を充てんすることなく、タイヤの4つの基本性能(車重を支える、駆動・制動力を路面に伝える、衝撃を和らげる、方向を転換・維持する)を満たしているので、パンクや整備不良による空気圧の過不足の心配がなく、メンテナンス作業の負荷を大きく低減でき、スペアタイヤも不要になる。
樹脂スポークを使った空気のいらないタイヤは、Michelin(ミシュラン)をはじめ、ブリヂストンや横浜ゴム、東洋ゴム工業などタイヤ各社が既に開発成果を発表しており、ジャイロブレイドは後発となる。
ただし、「従来の他社製品は、ホイールからトレッドに向けて樹脂スポークが垂直に伸びているタイプの構造が多い。この場合、空気入りタイヤと比べてユニフォミティ(真円性)がどうしても劣ってしまう。これに対してジャイロブレイドは、進行方向に対して斜めの樹脂スポークを対称に配置し、力が左右で打ち消し合うようにしている。このため高いユニフォミティを確保できており、振動が少なく乗り心地の良いタイヤを実現できている」(住友ゴム工業の説明員)という。
ブリヂストンの「空気のいらないタイヤ」が超小型EVで使用可能に、実用化も視野
ブリヂストンと住友ゴムが注目する天然ゴム資源「ロシアタンポポ」
SPring-8×J-PARC×京を組み合わせた高度タイヤ解析技術、住友ゴムが開発中
タイヤの転がり抵抗を測る日本唯一の“原器”は小平市にあった
未来のタイヤが19世紀のものと同じ形になる理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム