国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参加している日本の「HAKUTO」が、JALとコーポレートパートナー契約を締結。JALの整備技術などを月面探査機の保守運用に生かす計画だ。
民間企業による月面探査を競う国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参加している日本の民間宇宙探査チーム「HAKUTO(ハクト)」は2015年10月22日、日本航空(JAL)とのコーポレートパートナー締結を発表した。
JALは同社が2015年6月に宣言した「チャレンジJAL宣言」にて、新たな製品・サービスを毎月導入していくことと、さまざまな“チャレンジ”への支援を表明しており、今回のパートナー締結はこの一環。今後はJALで培われてきた整備技術やトラブルシューティングの手法をHAKUTOの開発する月面探査機の保守運用に応用するなど、技術的な提携も視野に入れる。
HAKUTOは米国の宇宙開発企業「Astrobotic Technology」と月面運搬契約を締結、2016年後半にSpaceXのロケット「Falcon9」によって開発した探査機を月面に送り込む計画。開発中の月面探査機「Moonranker」(4輪タイプ)と「Tetris」(2輪タイプ)はいずれも軽量化のため、本体材料にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を利用する予定で、JALの運用するボーイング787型にも同種の素材が利用されていることが、今回のパートナー締結の契機になったとしている。
「Google Lunar XPRIZE」は、民間で開発した無人探査機を月面に着陸させ、着陸地点から500m以上移動し、指定された高解像度の動画や静止画のデータを地球に送信するまでを競うレース。世界から18チームが参加しており、HAKUTOは唯一の日本からの参加チーム。HAKUTOは2015年1月に中間賞(走行系)を受賞し、賞金50万米ドル(約6000万円)を獲得している。
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