日通・パナソニック ロジスティクスは「ロジスティクスソリューションフェア2015」で、同社が取り組む「神戸化」について訴求した。
日通・パナソニック ロジスティクスは「ロジスティクスソリューションフェア2015」(2015年9月8〜9日、東京ビッグサイト)において、同社が取り組む「神戸化」について訴求した。
日通・パナソニック ロジスティクスは、もともとはパナソニックグループの物流・倉庫会社だったパナソニック ロジスティクスが、日本通運に売却されて生まれた会社だ。源流は1966年創業の松下倉庫にまでさかのぼることができる。
もともとエレクトロニクス企業の物流としてのノウハウを蓄積してきたが、現在力を入れているのが、ここに「モノづくり品質」を加えた「神戸化」だ。
神戸化は、物流にモノづくりのノウハウを注入し現場力を強化しようという同社の社内プロジェクトで、社内に専門部署である「神戸化推進室」を設置し、取り組みを進めている。兵庫県神戸市にある同社の西神事業所は、パナソニックのPC工場である神戸工場内に設置されているが、ここで工場で使われている「5S(整理、整とん、清掃、清潔、しつけ)」や「3定(定位、定品、定量)」などの取り組みを、物流現場に導入したことがきっかけだ。
工場における、5Sや3定などの改善活動も最終的には従業員の意識が重要になるため、輪読や声出しなどの取り組みを行っているが、同社はこれらも取り入れ、実際に研修なども行っているという。
同社の神戸化推進室就任の伊東徳子氏は「はじめは嫌がる社員も多かったが、徐々に取り組むうちに意識も変わってきており、進んで取り組むようになってきた。社員自らがさまざまな業務改善を生み出すようになっており、現場の活性化につながっている」と述べる。業務改善への提案は採用されるとその社員の名前を入れてリスト化するようにしており、事業所内には「マサオトレイ」などユニークな名前の補助具が数多く存在するという。
実際に成果も出ている。神戸化への取り組み前は、西神事業所内で年間22件の事故があったというが、神戸化を始動させたた後は、2件となっており、従業員の意識改革や現場力の高まりを感じているという。伊藤氏は「物流業界は差別化が難しくなり、低価格化が進んでいるが、神戸化による現場力強化により競争力を付け差別化につなげていきたい。今後、西神事業所内のノウハウを抽出し他の事業所へ水平展開を行っていく」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.