こうした知見をもとに、同社が発表したものは家庭向けの「User Experience」と「Communication」、それと「OS」である。逆順になるが、まずOSとして発表されたのがBrilloである(Photo04)。BrilloはAndroidをベースに、IoTのエンドデバイスに必要とされる物以外を削ぎ落としたもの、という言い方が的確なのだろう。
構成はPhoto04に示されるように本当にシンプルなものになっており、またセキュリティ機能はあらためてイチから作り直されたとしている。またConnectivityについては、Wi-FiとBluetooth Low Energy(BLE)は当然サポートしており、これに加えてThreadなどの省電力無線のサポートに関しても基調講演の中で言及されている。ただしベースはAndroidということで、非常に多くのデバイスが対応できる。
さて、次はCommunicationである。単にデータ交換を行う、というレベルの話であればWi-FiなりBLEなりでTCP/IPベースのパケット交換が可能だが、その上位レベルプロトコルの標準が不在であるのがこれまで大きな問題となっていた。これに対しての解として提供されるのが「WEAVE」である(Photo05)。
WEAVEとは、要するにお互いが必要とする情報を提供するものである。このWEAVEの文法はSchemeの形で定義され、このSchemeで記述されるものが、全てのWEAVEに対応したデバイスの共通言語となるとしており、例えばあるWEAVE対応カメラが撮影を行った場合、これにWEAVE経由でつながる全てのデバイスが、Scheme経由でこれを理解する。
このSchemeはGoogleが提供するもの以外に、開発者がカスタムのSchemeを提供する事も可能になる予定だ。また相互に正しく通信ができる事を担保するための認証プログラムも実施される模様だ。このWEAVEはクロスプラットフォームの形で提供される予定となっている(Photo06)。
最後がUser Experienceである。全てのAndroidデバイスは、Brillo/WEAVEベースのデバイスを認識し、これと通信して制御を行う事も可能とされる(Photo07)。
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