Google「Project Brillo」はApple「HomeKit」の対抗馬と目される、家庭向けIoTプラットフォームであり、まだ不明点が多いものの対象の重複はほぼ間違いない。先行するHomeKitに対しどれだけ派手に戦う気か、考察する。
前回はAppleのHomeKitをご紹介したが(Apple流の「網」が張られた家庭内IoT規格「HomeKit」)、これの対抗馬と目されているのがGoogleの「Project Brillo」である。
最も当のGoogleはHomeKitの対抗なんてことは一言も言ってはいないし、冷静に考えれば何らかのプラットフォームを抱えている事業者にとっては、そのプラットフォームをIoTの世界に利用できるようなフレームワークを提供するのはごく自然な流れである。結果としてHome Kitの対抗になってしまっただけ、というのはさすがにアレすぎるかもしれないが、まぁ同じところを目指せば似たようなものができるのは当然というべきか。
Project Brilloは2015年5月に開催されたイベント「Google I/O 2015」の基調講演で発表された。まずはこの基調講演における説明を簡単にご紹介する。既に知られているように、さまざまなデバイスが既に身の回りに存在しており、しかしながらこれらは現在独立して動いている(Photo01)。
ところが、家庭内や農業の現場、あるいは公共交通機関などの分野においては、お互いがもっとConnectedになることで、より効果的で便利な世の中になる可能性がある、とする(Photo02)。
こうした可能性に向けてスマート電球のようなものを製造するメーカーもあるが、包括的なプラットフォームが無いため、ソフトウェア開発が非常に面倒な事になっているし、独自の操作性などが提供される結果として、ユーザーが困惑する事も多い。さて、その一方で同社はNest Labsを2014年7月に買収したが、この買収の後での共同開発を通して、同社はこうした家庭向けのIoTに関する知見を蓄積している(「家」を変えたサーモスタット「Nest」)。
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