日立製作所と日立オートモティブシステムズが、半導体ひずみセンサーの量産を開始した。−40〜+120度の環境下でも、長期間にわたって高精度な計測ができる。今後は車載はじめ、IoTに対応したソリューションサービスへの適用を目指すとしている。
日立製作所と日立オートモティブシステムズは2015年7月3日、センサー素子と制御回路を1チップ化した半導体ひずみセンサーと独自の接合技術を開発し、ひずみセンサーの本格的な量産を開始したと発表した。
ひずみセンサーは、車載機器、産業機器、インフラ構造物などに搭載することで、物体に力が加わることで生じるひずみなどの物理的な変化を高精度に測定できる。状態管理・制御の効率化を図れることから、機器動作の円滑化、故障の予兆診断などに活用できると見込んでいる。
今回量産を開始したひずみセンサーは、独自開発した耐高温・低クリープの金属接合技術を活用したことで、−40〜+120度の環境下でも長期間にわたって高精度な計測が可能になった。共通のセンサー素子を用いながら、加重・圧力、トルク、引張り、せん断力といった幅広い物理量の変化や、低周波振動などの緩やかな変形も継続的に計測できる。こうした特徴から、精密機器のレベリングや流量計測など、幅広い分野への応用が期待できるようになった。
また、ひずみセンサーにはCMOSプロセスを採用し、センサー素子・制御回路群・アンプ回路・A/Dコンバータを1チップ上に集積化することで小型化・低消費電力化を図った。センサー素子を極小化することで、電磁波ノイズの影響を最小限にとどめ、これまで搭載が難しかった小型医療機器やインフラ構造物などへの適用も可能になったという。
さらに、高融点はんだによる被測定物への取り付けにも対応。高温高湿の過酷な条件下でも、はんだの接合部分が劣化しにくく、長期間にわたって使用できる。センサー全面を被測定物に接合できるためはがれにくく、信頼性がより高まったとうたっている。
日立グループでは今後、車載をはじめ、自社の電力システム、建設機械、産業機器、医療機器、インフラ設備などにひずみセンサーを展開。IoTに対応したソリューションサービスへの適用を目指すとしている。
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