シャープは、「国際モダンホスピタルショウ2015」において、同社が新規事業として期待を掛ける、「健康コックピット」などの医療関連機器をまとめて披露した。
シャープは、病院向けの医療機器/システムの展示会「国際モダンホスピタルショウ2015」(2015年7月15〜17日、東京ビッグサイト)において、同社が新規事業として期待を掛ける医療関連機器をまとめて披露した。
展示したのは、「CEATEC JAPAN 2013」や「SEMICON Japan 2014」などでも披露した座るだけで健康状態が分かる「健康コックピット」や、手術室での活用が期待される8Kディスプレイ、病院内での清掃や患者の衣服の洗浄などに効果的な「除菌消臭水生成器」、心拍と呼吸数をワイヤレスで同時に計測できる「マイクロ波センサモジュール」などである。
健康コックピットは、性別や年齢、身長などの個人データ入力などに使うタッチパネルと、体重計や血圧計、脈波センサーを搭載するリラックスチェアを模したコンセプトモデルだ。従来、病院に来た初診患者の基本情報や問診結果、バイタルデータは手動で入力する必要があった。健康コックピットは、患者自身にタッチパネルで入力してもらった基本情報や問診結果、そして着座時に計測したバイタルデータをデジタルデータとして出力し、それらはそのまま電子カルテに記録することができる。
同社で医療関連機器の事業展開を取りまとめている新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏は、「健康コックピットは、問診と基礎バイタルデータの取得、電子カルテへの記入を一括して行える次世代問診システムだ。コンセプトモデルのようなリラックスチェア型か、それとも要素をまとめたソリューションとしての提案になるかは分からないが、2015年末〜2016年初には商品化したい」と語る。
8Kディスプレイの医療応用については、8K対応のカメラとの組み合わせによって、手術を行っている箇所を拡大して表示する用途などが検討されている。手術には多くの医療スタッフが参加するが、手術の状況は執刀している医師などしか目にすることができない。しかし、8K対応カメラと8Kディスプレイがあれば、手術箇所を高精細に表示することで、医療スタッフ全員で情報を共有できるようになる。
現在、メディカル・イメージ・コンソーシアムに参加する杏林大学や眼科三宅病院などが評価を行っている。「8Kディスプレイの商用化時期はまだ先だが、医療応用は有力な用途の1つだ」(山崎氏)という。
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