アンシス・ジャパンはアマゾンウェブサービス(AWS)を基盤とする「ANSYS Enterprise Cloud(AEC)」の日本での提供を開始。ほぼ全てのANSYS製品で、ターンキーでAWSを利用したシミュレーションが可能になるという。
アンシス・ジャパンは2015年6月4日、アマゾンウェブサービス(AWS)を基盤とする「ANSYS Enterprise Cloud(AEC)」の日本での提供を開始した。アンシスのほぼ全ての製品で、ターンキー(製品がすぐに使える状態)でAWSを利用したシミュレーションが可能になるという。
記者発表の冒頭でアンシス・ジャパン 代表取締役 大古俊輔氏は「IT分野からすれば今クラウドというのは遅いと思うかもしれないが、製造業では市場のタイミング、ニーズ、テクノロジーがそろったのが今だと確信している」とあいさつした。ANSYSの戦略としては、どんなクラウドにも対応し、どんなCAEでも使える、そしてプリからポストまでのエンドツーエンドを提供するという。その中で「AWSの特徴は安いだけではない。必要な時に必要な量が使えるのが肝」(大古氏)だという。
今回提供を開始するソリューションの特徴の1つは、シングルテナントであることだ。「顧客はそれぞれ独自のセキュリティ基準を持っているため、それに合う形で環境を管理したいというニーズがある」(米ANSYS 戦略パートナーシップディレクター バーバラ・ハッチングス氏)。そのため顧客ごとに専用の機材などを用意する。
また高度なエンジニアリング済みのソリューションをターンキーで提供する。クラウドのデータセンター上に、シミュレーションを行うのに必要な全てのコンポーネントを用意しているという。
大規模なシミュレーションでは、解析データを自社の外に移動させたなくいというニーズは高い。そこで描画をリモートで行う必要がある。この点についてはアマゾンや他のパートナーと協力して、リモートレンダリングの技術を開発した。
全てのジョブやデータの管理はANSYS Cloud Gatewayによって行う。ユーザーは新たなソフトウェアをインストールしてもしなくても、各地からWebブラウザを通じてゲートウェイにアクセスできる。なお言語は現在英語で提供する。
セキュリティ面では、クラウドでの暗号化、アクセス権のコントロールなどを行っている。また災害などの復旧のため非常に高度に冗長化されており、そのための十分なストレージも用意しているという。
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