戦場はリビングルーム、音声アシスタントを巡る競争で日本勢に遅れスマートホーム(2/2 ページ)

» 2015年06月02日 00時00分 公開
[渡邊宏MONOist]
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 日本企業ではソニーがプレイステーション4に音声コントロールを追加、IoTデバイスを開発製造する合弁会社「Qrio」を設立するなど動きを見せているほか、パナソニックもスマート家電戦略に着手、その一環として国産ベンチャーであるCerevoとの協業を行うなど、スマートホーム事業は活発化しつつあると指摘するが、今のところ、日本の住宅メーカーやIT各社の動きは先行する欧米各社に比べて表面化しておらず、リビングにおける主役争いはAmazon/Google/Apple/Microsoftを中心にした動きになるだろうと予測する。

photophoto スマートホームを巡る、ソニーとパナソニックの取り組み。両社ともに動きは見せているが、音声コントロールの導入という観点では欧米各社に比べては一歩出遅れている感がある
photo スマートホームの覇権争いでは、AmazonやGoogleなど欧米企業が音声コントロールの導入で先行する

 ただ、AmazonやGoogleなどが音声コントロールを武器に日本のリビングも席巻するかというと、そう簡単にはいかないだろうと中村氏は言う。その最大の問題が「話すこと」だ。テレビやセットトップボックス、スピーカー、あるいは無人の室内に向かって、「エアコン付けて」「照明を消して」と話しかけることは、いくらリモコンを探す手間が省けるとはいっても、今の私たちの感覚からすれば不自然だ。

 音声アシスタントの浸透について「音声認識の利用数は増えているし、(音声を活用した)技術に慣れることは、文化的なことだ」と音声アシスタント技術を提供する側は述べるが、慣れるまでにどれだけの時間が必要なのか、また、慣れについて、日米の差はあるのか。こればかりはAmazon Echoなどが国内で販売開始されないことには答えが出ないだろう。

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