さらにヴァイナスはクラウドの最終利用形態として、CAEも含めて全ての資産をクラウド上に管理することをユーザーに働きかけようと、準備を進めているという。そのために提供を予定しているのが、クラウドデータ保管・閲覧サービスの「CC-Drive」だ。DropboxやGoogle Driveのようなストレージサービスだが、「解析をする最終目的は、計算自体ではなく解析結果を見て議論すること」(藤川氏)。そのためデータの管理というより解析結果の閲覧に重点的に配慮した、グループウェアのようなものになるという。
「自社内でデータを保管するのは、タンスにお金を保管するようなもの。計算は社内サーバで行ってもよいが、保管は社外でするべき。ダウンロードした瞬間に漏えいの危険性が生じる」(藤川氏)。
企業の設計部門などで利用するのであれば見る人が多くなりセキュリティ対策が重要になってくる。だがCC-Driveでは、閲覧に際して解析データをダウンロードしないため、高いセキュリティを確保できる。保管先は信頼度の高いサーバとしてIBMのSoftLayerを用いているという。閲覧専用のアプリ「CC-Cabinet」についてはiOS用のものを無料で先行リリースしている。CC-Driveは2015年7月頃にβ版のリリース予定だという。
これらのサービスの先にあるのは、どこでも多くの人が解析結果を自由に閲覧し、利用できる姿だ。CAEの精度向上やクラウドの進化はここにきてIT管理環境の面でも大きな転換を促すことになりそうだ。
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