富士通研究所はスマートフォンなどにおいて、アプリケーションソフトやデバイスドライバをOS非依存とするWebOS技術の開発に成功した。
富士通研究所は2015年4月2日、スマートフォンなどにおいて、アプリケーションソフトやデバイスドライバをOS非依存とするWebOS技術の開発に成功したと発表した。同社では本技術の導入により開発工数の大幅な削減が期待できるとしており、2016年度中の実用化を目指す。
スマート端末アプリケーションのOS非依存化という目的に対してはHTML5によって達成されることも増えているが、「外部デバイスのOS非依存」についてはOSのアーキテクチャに左右される要素が多く、さまざまなOSと頻繁な更新は開発側にとっては大きな負担となっていた。
新技術ではOS上に独自の実行環境(ランタイム)とインタフェースブリッジを構築し、デバイスドライバをその上位層にあたる「Web層」に配置することで、OS非依存の環境を作り出す。また、Web層にはこちらも新開発した「ドライバ抽象化API」を配置することで、同じ「出力」の命令に対しても、プリンタがあればプリンタ、ディスプレイがあればディスプレイに出力が可能となり、アプリケーションの変更なく、異なるデバイスを利用できるようになる。
接続されるデバイスの管理を行うため、「外部デバイスの発見」と「ドライバの動的配信」を行う仕組みも備えた。これにより、スマートフォンからプリンタや外部ディスプレイ、カメラ、ウェアラブル機器などを利用する際、ネットワーク切り替えやデバイス検索、アプリダウンロードなどの手間を掛けることなく、その場に用意されたデバイスを即座に扱える。
技術の検証はAndroidスマートフォンを中心に行われたが、iOSやWindows、Linuxなど他のOSを搭載するデバイスへの適用も可能で、将来的にはゲートウェイ機器などIoTのエンドデバイスへの搭載も視野に入れるとしている。
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