ジェイテクトは、トルクセンサーとモーター駆動部に二重化による冗長設計を「世界で初めて」(同社)施した、ISO 26262準拠の電動パワーステアリングを開発した。トヨタ自動車の新型「アルファード/ヴェルファイア」に採用されているとみられる。
ジェイテクトは2015年3月25日、自動車向け機能安全規格であるISO 26262に準拠した電動パワーステアリングの開発・量産化について発表した。量産は同年1月から始めており、同時期に発売されたトヨタ自動車の新型「アルファード/ヴェルファイア」に採用されているとみられる。
今回開発した電動パワーステアリングの最大の特徴は、ドライバーのステアリング操作を検出するトルクセンサーと、アシストトルクを発生させるモーター駆動部について、二重化による冗長設計を施していることだ。「他社に先駆けて実現したもので、世界初になるだろう」(同社)という。
ISO 26262でより高い安全要求レベルをクリアするには、車載システムに万が一の故障が発生した場合でもそれをバックアップする機能を導入する必要がある。二重化による冗長設計はその代表的な手法だ。今回の電動パワーステアリングは、ISO 26262の安全要求レベルで最高となるASIL Dを満足している。
この他、集積化したモーター駆動回路を立体的に配置することにより、従来品よりも大幅な小型化を図った。また、新たなモーター設計による静粛性の向上や、減速機の構造見直しによる摩擦低減で実現した操舵の快適性の向上も実現している。
同社は2011年10月に、ISO 26262に準拠した開発プロセスの構築を完了したことを発表。2014年1月から、同開発プロセスを用いた電動パワーステアリングの量産を始めていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.