この記事は、2015年3月24日発行の「オートモーティブ メールマガジン 」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
2015年2月14日、自動車業界にとって「ついに来たか」という報道がもたらされました。PCとスマートフォン、タブレット端末、それらを活用した情報サービスで社会に革命をもたらしてきたApple(アップル)が電気自動車を開発中だというのです。
ウォールストリート・ジャーナルによれば、電気自動車開発プロジェクトの名称は「タイタン」で、数百人の従業員が参加しているとか。
アップルがスマートフォンと車載情報機器の連携機能「CarPlay」を2014年3月に発表する以前から、「iPhone」ならぬ「iCar」を開発しているのではないかといううわさはありました。約1年前の2014年2月に出た、「アップルが電気自動車ベンチャーのTesla Motors(テスラ)の買収を検討している」という報道がその最たるものでしょう。
シリコンバレー発のベンチャー企業であるテスラが、独自に開発した電気自動車である「モデルS」の販売により成功を収めていることは、アップルも同じ分野で成功する可能性を示しています。
特に、モデルSが実現している、自動車の各種車載システムを自動的に無線通信でアップデートする機能は好例でしょう。新しいITシステムの導入を慎重に検討してしまう既存の自動車メーカーでは実現できなかったスピード感で機能拡張を続けているのです(関連記事:「モデルS」がアップデート、充電が必要になれば充電器に自動で経路案内 )。
iPhoneや関連の情報サービスを持つアップルであれば、モデルSよりもさらに利便性の高い電気自動車を、既存の自動車メーカーとは比較にならない早さで実用化するのではという期待があるのは確かです。iPhoneのように自動車を“再発明する”のではないかと。
しかし、アップルといえどもそう簡単に自動車業界に参入できないのではないか、というのが私の見方です。それも、やはりテスラとモデルSが、その困難さを示していると思います。
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≫モノづくり編集のこぼれ話
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