それでは、ブレッドボードで入力を記録してその状態を保持する回路を作ってみましょう。入力された状態を保持記録する回路は、“状態を保持する”ことからラッチ(英語でかんぬき)回路と呼ばれます。今回はラッチ回路のなかでもシンプルなSR(Set Reset)ラッチ回路を試してみましょう。今回使用する部品を示します(画像2、表1)。
扉が閉じた後もLEDをつけておくために、汎用ロジックICを使いました。汎用ロジックICは、デジタル回路でよく使われる機能をICにしたものです。IC内部にある集積回路がデータを保持してくれるので、プログラムを組まなくても仕様を満たすことができます。今回は、74HC02という汎用ロジックICでSRラッチ回路を組みました(画像3、4)。
それでは、ブレッドボード上で回路を作成してみましょう。回路図と部品配置図を以下に示します(画像5、画像6、画像7)。
ICは、片側にある半円のくぼみがある方を左にしたとき、その下になる部分が1番ピンです。反時計回りに順番にピンが並んでいます。これは、ICの基本ルールです。ICの向きを間違えるとICが壊れるので、部品配置の時は方向に注意しましょう。実際にブレッドボードへ部品を実装したのが画像8、画像9です。
回路を組んだら、動作確認をしてみましょう。リードスイッチを離して親機のLEDが点き、戻してもLEDが点いたまま。親機のリセットボタンを押したときにLEDが消えればOKです。
このシステムを考えたとき、リードスイッチのオン・オフの状態とリセットスイッチのタイミングは、プログラムで監視して制御しなくちゃいけないと思いました。「面倒かも……」と予想していたのに、ロジックICを使ったら配線だけで実装できてしまって、びっくり!
ワンチップマイコンが安価になり、電子部品の小型化も進んだ現在、汎用ロジックICが使われる機会は減っていますが、電子工作では、上手に使えばプログラムの負担を減らして面白いガジェットが作れます。汎用ロジックICは、いろいろな種類があるので、他のアイデアを試してみたくなりますね。
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