ここまでは腕にはめるウェアラブル機器を見てきたが、他の製品はどうだろう。
2014 CESでは特設ブースが作られ、10数社が製品を展示しており盛り上がりを見せていたGoogleGlassに代表されるアイウェア(メガネ型)は、ソニーや東芝など日本メーカーが製品を展示していたものの、スタートアップ系を含めあまり目立った動きは無かった。目の前に装着する小型ディスプレイがまだ見にくいことや、画面操作などのUIもまだまだ使いにくい。現状で商用化しても、消費者側がすぐに飽きてしまう可能性もあるように感じられる。
しかしながら会場全体を見てみると、Oculus Riftを自社製品のバーチャルデモに利用している会社が多数あった。Oculus Riftは登場からわずか1年あまりでバーチャルリアリティー/立体視を商用利用する際のスタンダードデバイスとなったのだ。アイウェアもこのように、利用する必然性を感じさせるアプリケーションがなければ普及はまだ難しそうだ。
その他には、頭に装着してスポーツ時の衝撃を記録できるBlackBox Biometricsの「LinxIAS」や、足にはめてジョギング時の運動状態を計測できるSensoriaなども登場。センサーの小型化や省電力化が進むことで、これらのように今後より特化した用途のウェアラブル機器が登場するだろう。
さてここまで紹介したウェアラブル機器は、スマートフォンと連携することを前提とした製品がほとんどだったが、今後はウェアラブル機器そのものが単体で動く製品も増えてきそうだ。インテルは2015 CESでボタンサイズのウェアラブル向けモジュール「Curie」を発表。指先サイズのCurieはCPUとモーションセンサーなどを備えており、これ単体で動作する超小型デバイスを作ることができる。
2015 CESのインテルブースには2014年に発表されたSDカードサイズの小型コンピュータ「Edison」を搭載したウェアラブル機器が展示されていた。Edisonを利用すればスマートフォンを必要とせずに身体の動作データの取得や解析などが可能で、よりインテリジェンスなウェアラブル機器の開発が可能になる。さらに小さな「Curie」の販売が始まれば、今までのウェアラブル機器にはできなかった操作や処理が可能になり、より高性能で多機能な製品の登場が期待できそうである。
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