「気が付いたら、服のボタンにインテル入ってる」――そんな未来はそう遠くない。インテルがボタン大のSoC「Curie」搭載製品出荷の見通しを示した。
インテルは2015年1月16日、都内にて開催した記者説明会にて、「2015 International CES」で発表したボタンサイズのモジュール「Curie(キュリー)」を搭載した製品が国内でも2015年下半期には登場するだろうとの見通しを示した。
CurieはBluetooth LE対応の無線機能を備えたプロセッサ「Quark SE」、センサーハブ、充電式バッテリーあるいはコイン電池を搭載した、ボタン大の小型モジュール。同社はプロセッサ搭載の小型モジュールとして「Galileo」や「Edison」も用意しているが、Curieは米Intel CEOのBrian Krzanich氏がCESにて「さまざまなウェアラブル機器を実現できる」と明言したよう、ウェアラブル機器への搭載を主眼としたものだ。
PC/サーバ向けCPUの“巨人”である同社だが、データセンター需要を除くとその市場の急成長は見込めず、そこで大きな力を注いでいるのが、IoTとウェアラブルだ。記者説明会に登壇した、インテル代表取締役社長の江田麻季子氏も「(IoTとウェアラブルによって)さまざまなイノベーションが生まれるのでは」と期待する。
ただ、これらについては市場そのものが立ち上がっていないというのも現状。
ついては米IntelがOakleyなどのブランドを有するイタリアのLuxotticaと提携したよう非IT各社との連携を強化するとともに、先に発表したIoT導入のリファレンスプラットフォーム「インテル IoT プラットフォーム」のように、ウェアラブル機器向けプロセッサについても、顧客企業がカスタマイズして細かなユーザーニーズをすくい上げる基盤としてのCurieを提供することで、コンピューティングのメインストリームがPCではなくなる、“非PC時代”での存在感を示したい考えだ。
なお、米Intelは2015年1月15日(現地時間)に2014年第4四半期および通年決算を発表している。2014年第4四半期および通年の売り上げはいずれも過去最高となる147億/559億ドルで、前年同期比/前年比6%の増加となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.