「ミライ」2台分のシステムを搭載する燃料電池バス、水素タンク8本で150km走行:燃料電池車(2/2 ページ)
トヨタ自動車と日野自動車は、2001年6月に燃料電池バスの試作車「FCHV-BUS1」を開発し、2002年9月には公道走行可能な「FCHV-BUS2」を発表している。FCHV-BUS2は、2005年3月開催の愛・地球博にも利用された。
FCHV-BUS2も、今回のFCバスと同様に燃料電池スタックを2個搭載していた。使用した燃料電池スタックは、トヨタ自動車が2002年12月に限定発売したSUVタイプの燃料電池車「FCHV」に用いられている「トヨタFCスタック」(最高出力90kW)である。この他、最高出力80kW/最大トルク260Nmのモーターを2個、耐圧35MPaの水素タンクを5本用いている。
燃料電池バス「FCHV-BUS2」 出典:トヨタ自動車
FCバスは、FCHV-BUS2の発表から約12年ぶりの改良となる。燃料電池スタックの最高出力は約26%、モーターの最高出力も約37%向上しているだけでなく、水素タンクの耐圧を35MPaから70MPaに高めて本数も5本から8本に増やしている。乗車定員も、FCHV-BUS2は60人だったがFCバスは77人に増えた。
- トヨタの燃料電池車「ミライ」は「あえて4人乗り」、プレミアム感と走りを重視
トヨタ自動車は、セダンタイプの新型燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を2014年12月15日に発売する。税込み価格は723万6000円で、国内販売目標台数は2015年末までで約400台。プレミアム感と荷室の広さ、そして走りの楽しさを重視したこともあり、5人乗りではなく4人乗りとなった。
- 燃料電池車の本格普及にはSiCインバータが必要だ
CO2を排出しない次世代環境対応車としてだけでなく、今後の発展が期待される水素エネルギー社会のけん引役としても期待されている燃料電池車。日産自動車は、その燃料電池車の市場投入を表明している自動車メーカーの1つである。そこで、同社で燃料電池車の研究開発を担当する飯山明裕氏に、燃料電池車の本格普及に向けた課題などについて聞いた。
- 日野自動車の防災対応PHEVバス、体育館の照明を30時間点灯する電力を供給可能
日野自動車は、中型バス「メルファ」をベースにした防災対応型プラグインハイブリッドバス(PHEVバス)を開発した。電池パックやディーゼルエンジンを使って外部に電力を供給できる。燃料タンクが満タンであれば、災害時に避難所として使用される体育館の照明を30時間程度点灯させられるという。
- 燃料電池バスから電力を供給、災害時は体育館の照明を5日間点灯可能な電源車に
トヨタ自動車は、燃料電池バスの燃料電池で発電した電力を、車両内に設置したコンセントから外部に供給できるシステムを開発した。この他、最大9.8kWの電力を約50時間供給できるV2Hシステムの開発も進めている。
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