制御システム防御に最適なロックダウン型ウイルス対策ソフトの運用性が向上：FAニュース

トレンドマイクロは、ロックダウン型ウイルス対策ソフトの新バージョン「Trend Micro Safe Lock 2.0」を発売する。

[MONOist]

　トレンドマイクロは2014年1月7日、ロックダウン型ウイルス対策ソフトの新バージョン「Trend Micro Safe Lock（以下、TMSL）2.0」を2015年1月26日から提供開始することを発表した。

　TMSLは、システムの特定用途化（ロックダウン）により、不正プログラムの侵入・実行を防止するウイルス対策ソフト。パターンファイルが不要であるため、大容量のパターンファイル読み込みやウイルス検索によるシステムパフォーマンスの低下がなく、パターンファイルを更新する際の動作検証を行う必要もない。そのため、安定稼働が重視される制御システム（組み立て工場の生産ラインなど）や組み込み機器（ATM、POS、工作機械、分析装置、デジタルサイネージなど）といった特定用途端末、クローズド環境にある端末などを効果的に保護できるという。

セキュリティ運用を改善

　新バージョンであるTMSL2.0では、セキュリティの運用を向上させる「管理コンソール」と、より細やかなセキュリティ対策を実現する「書き込み制御機能」を新たに搭載した。

　「管理コンソール」は、集中監視、代理ウイルス検索、原因分析などの機能を実装した管理ツール。管理下にある端末を集中監視することにより、検知したインシデントを管理者に通知する。さらに、代理ウイルス検索により、起動をブロックされたファイルが不正プログラムかどうかを管理コンソール側でチェックし、対象端末にある当該ファイルを管理コンソール側から削除、隔離などの対処を実施できる。

　これにより、管理者が従来手動で行っていた、起動をブロックされたファイルの健全性確認やファイル削除などの手間を省略可能だ。さらに、検索対象端末内のエージェントでウイルス検索を実行しない代理ウイルス検索を活用することで、可用性が重視される端末にウイルス検索による大きな負荷を与えず、システムの安定稼働を維持したセキュリティ運用を実現する。さらに原因分析機能では、管理コンソール上に起動をブロックされたファイルの混入・実行経路を図示したり、同一事象が発生している端末の一覧を表示したりすることができる。これにより、インシデントによる影響範囲の特定や再発防止策の検討を支援する。

　「書き込み制御機能」は、不正プログラムや誤操作によるファイルの改ざんを防止する機能だ。システムが正常に稼働するために必要な重要ファイルの健全性を維持することが可能。システムの安定稼働における安全性を向上させている。

Trend Micro Safe Lock 2.0活用のイメージ図

　価格は、クライアントOS向けの「Trend Micro Safe Lock スタンダード for Client OS」が新規で1万1400円、保守更新で2280円。サーバOS向けの「Trend Micro Safe Lock スタンダード for Server OS」が新規で10万6200円、保守更新で2万1240円。一部機能を絞り込んだライト版となる「Trend Micro Safe Lock ライト for Client OS」が新規9880円、保守更新1980円、「Trend Micro Safe Lock ライト for Server OS」が新規9万7200円、保守更新1万9440円となっている。同社では、1年間で300社の導入を目指すとしている。