島津製作所、脳機能計測用のポータブル近赤外光イメージング装置を発売医療機器ニュース

従来製品に比べて大幅に小型・軽量化し、場所を選ばず脳機能の計測が可能な近赤外光イメージング装置を発売した。拘束性が低く、日常生活に近い状況で測定できるため、幅広い脳機能評価が可能だ。

» 2014年12月03日 07時00分 公開
[MONOist]

 島津製作所は2014年11月17日、医療用近赤外光イメージング装置「SPEEDNIRS(スピードニルス)」と、研究用ポータブル光脳機能イメージング装置「LIGHTNIRS(ライトニルス)」を発売した。

 今回発売されたイメージング装置は、従来製品に比べて大幅に小型・軽量化し、場所を選ばず脳機能の計測ができる。拘束性が低く、日常生活に近い状況で測定できるため、幅広い脳機能評価が可能だ。大学病院・研究機関だけでなく、小規模な精神科病院、クリニック、診療所、一般病院、民間企業などでも利用できるという。

 頭皮への密着性が高いファイバー先端構造により、頭髪部位の計測もできる。同社独自の3波長半導体レーザーと順次点灯方式により、ノイズの影響を低減した安定性の高いデータを提供できるとのことだ。

 装置のうち、医療用SPEEDNIRSは、「本体を卓上で使用できる近赤外光イメージング装置としては初めて」(同社)、薬事認証を受けた。うつ病の鑑別診断補助として、問診時の診断に客観的データを加えることができる他、脳卒中のリハビリテーションの訓練効果を客観的に評価するなどの用途も期待できるという。

 研究用LIGHTNIRSは、専用のキャリーバッグで装置本体を背中・腰周りに装着できるウェアラブルタイプとなっている。ニューロマーケティングや複数人での同時計測による多人数間のコミュニケーション研究、ブレインマシーンインタフェースの研究など、脳科学応用市場で活用できる。

 本体サイズは幅250mm×高さ70mm×奥行き200mmで、重量は1600g。従来製品とのデータ互換性も備えた。同社では、両装置合わせて20台の販売を予定している。

photo (左)「SPEEDNIRS(スピードニルス)」(医療用)、(右)「LIGHTNIRS(ライトニルス)」(研究用)

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