ルネサスがMaker Faire Tokyo 2014で展示していた「“動くモノ”開発プロジェクト」は、「誰でもモーターの制御ができる仕組み」の提供を目指したものだ。コード1行加えるだけで、モーター制御が容易に行える。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が「Maker Faire Tokyo 2014」(2014年11月23〜24日、東京ビッグサイト)に出展していた「“動くモノ”開発プロジェクト」は、「誰でもモーター制御できる仕組み」の提供を目指したものだ。
制御回路などを搭載したモーターモジュールとインタフェースボードで構成されており、Arduinoなどマイコンボードを介してコードを配線するだけで、モーターの速度と角度を簡単に制御できる。
モーターモジュールは制御用マイコンやドライバ、制御ソフトなどモーター制御に関係する多くの要素を搭載しており、インタフェースボードを介してArduinoやRaspberry Piといったマイコンボードに接続する。APIも用意されており、マイコンボードのソースコードに速度やトルク、出力、角度などを「1行加えるだけ」(同社)で、モーターの種類を問わずに制御を行える。
プロジェクトが試作したモーターモジュールは小型DCモーター、大型ACモーター、AC誘導モーターの3種類。さらに現在、ステッピングモーター、ブラシレスDCモーター、角度サーボモータ−の開発を検討しており、Maker Faire来場者の反応などを見ながら製品化を検討していく予定だという。
モーターは電源をつなげば回転するが、速度や角度、トルクなどを制御しようとすると制御工学から電子回路設計、デジタル信号処理やプログラミングまで、多くの技術的知識が必要となる。Maker Faireの会場を見渡してもモーターを制御した“動くモノ”が少ないのは、そのためだろう。ルネサスは「誰でもモーター制御できる仕組み」を提供することで、新たなマイコン市場の創出を狙うとしている。
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