TOPPERSプロジェクトは、LEGOのロボット教材「MINDSTORMS EV3」向けのソフトウェアプラットフォームである「EV3RT」の早期リリースを始めたと発表した。EV3RTは、「ETロボコン2015」の公式プラットフォームの候補にもなっている。
TOPPERSプロジェクトは2014年11月19日、LEGOのロボット教材「MINDSTORMS EV3(以下、EV3)」向けのソフトウェアプラットフォーム(SPF)である「EV3RT」について、同プロジェクト会員向けの早期リリースを始めたと発表した。2015年の早期にはオープンソースソフトウェアとして一般公開する予定である。
同プロジェクトは、「組込み総合技術展 Embedded Technology(ET展)」と併催されている「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)」に特別協賛するとともに、ETロボコンの走行体に用いられてきたLEGOのロボット教材「MINDSTORMS NXT(以下、NXT)」のSPFも提供している。
ただし、NXTの販売が2015年内に終了すること、2015年開催の「ETロボコン2015」から、走行体としてEV3の採用が始まる予定になっていることもあり、EV3のSPFであるEV3RTの開発を進めていたという。
EV3RTは、メモリ保護機能を持つμITRON仕様の新世代カーネル「TOPPERS/HRP2」に動的生成機能を拡張したものを採用しており、アプリケーションプログラムの不具合からSPFを保護できる。この他、アプリケーションプログラムの動的ローディング機能や、各種周辺デバイス向けのデバイスドライバとミドルウェアも備えている。
EV3RTの開発ではETロボコン技術委員会からの要望が取り入れられており、ETロボコン2015の公式プラットフォームの候補にもなっている。
TOPPERSプロジェクトの会長で名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター(NCES)のセンター長を務める高田広章氏は、「NXTを使う現行のETロボコンでは、TOPPERS OSを用いたSPFが多くのチームに使用されている。NXTの次世代製品であるEV3でもTOPPERS OSを使いたいというチームのためにEV3RTを開発した。他にも公式プラットフォームの候補は幾つかあるが、RTOSを使っているのはEV3RTくらいだろう」と述べている。
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