NECはユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2014」を開催。同社代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏が基調講演を行い、NECの戦略や強みを紹介した。
NECの代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏は2014年11月20日、ユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2014」(2014年11月20〜21日)の基調講演に登壇し、「Orchestrating a brighter world 世界の想いを、未来へつなげる」をテーマに同社の戦略と、技術的な強みを紹介した。
地球規模での人口増加は続き2050年には、都市人口は63億人(現在は35億人)になると見込まれている。それに関連しエネルギー需要は1.8倍、温室効果ガスは1.5倍、食料需要は1.7倍、水需要は1.6倍になると見られている。一方で日本の人口は約3分の2に減少。「地球規模においては約2倍の要求に対応しなければならない一方、日本では現在の約60%の人口で支えなければならない。両方とも現状では考えられないほどの効率的なインフラが必要だ。そのためにはICTの活用が欠かせない」と遠藤氏は強調する。
同社では社会ソリューションとして「安全」「安心」「効率」「公平」を価値として実現する取り組みを進めているが、ICTでこれらに貢献する原動力となる技術として「リアルタイム」「ダイナミック」「リモート」の3つのポイントを挙げている。リアルタイムは、情報を即時に処理できることで状況をすぐに理解し判断できるようになる。その結果として次に起こり得る状況の予測をもたらすことができる。リモートでは、ネットワーク技術により離れた場所の間で情報を自由にやりとりすることを実現する。その結果として人やモノが移動する必要がなくなり、場所による不平等や不公平のない社会を実現できるという。また、ダイナミックとしては、自己や外部環境などの情報からどう対応すべきかという結果を導き出し、複雑な状況変化への対応を動的に作ることができるとしている。
これらの価値の象徴として自動走行と3Dプリンタを挙げる。特に3Dプリンタについては「これは脳と物体を分離させる動きだ。従来はモノを作るには、どこかで生産して運ばなければならなかったが、設計したものを作りたい場所で生産するという動きも可能になる。ICTが導線を変えたという1つの大きな事例だ」と遠藤氏は述べている。また、これらの3つの原動力については「コンピュータの技術の進化、ネットワーク技術の進化、データサイエンスの進化によってもたらされている」(遠藤氏)とし、技術進化の価値を訴えた。
NECでは、これらのICTが変革する価値の中で、ビッグデータ処理技術、SDN(Software-Defined Network)、画像認識・映像処理、クラウド基盤、スーパーコンピュータ、海底ケーブル、モバイル通信基盤、人工衛星などの技術リソースを保有しているが、特に社会ソリューションが求められる時代に価値として強調したのがビッグデータ処理技術だ。
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