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» 2014年11月18日 08時00分 公開

ホンダのセダンタイプ燃料電池車はなぜ5人乗りを実現できたのかトヨタ「ミライ」と比較(2/4 ページ)

[朴尚洙,MONOist]

ホンダとトヨタ、燃料電池車の重要部品の構成はほぼ同じ

 ミライから1年以上遅れての発売になるものの、ホンダのセダンタイプの新型燃料電池車は、1年以上待たせるだけの価値がある。

 Honda FCV CONCEPTの最大の特徴は乗車定員が5人であることだ。これに対してトヨタ自動車のミライは、「東京モーターショー2013」で公開したコンセプトカーの時点から一貫して乗車定員を4人としている。

トヨタ自動車の「ミライ」と同社社長の豊田章男氏 トヨタ自動車の「ミライ」と同社社長の豊田章男氏(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 ホンダは5人乗りでトヨタ自動車は4人乗り。この差はどこからくるのだろうか。実は、ホンダの燃料電池車も、トヨタ自動車のミライも、燃料電池車の走行をつかさどる重要部品の構成はほぼ同じだ。

 燃料電池セルスタックの出力密度は、ホンダの3.1kW/l(リットル)に対してトヨタ自動車は3.0kW/lで、ほとんど差はない。両社とも燃料電池セルスタックを小型化しているため、燃料電池セルスタック内のセル枚数も削減されている。燃料電池セルが少ないと出力電圧が小さくなるので、走行用モーターのサイズを大きくしなければならないという課題が生まれる。この課題については、両社とも昇圧コンバータを採用して電圧を高めることで対応している。

ホンダとトヨタ自動車の燃料電池セルスタックの開発成果。出力密度は、ホンダが3.1kW/l(左)、トヨタ自動車が3.0kW/lを達成しており、ほとんど性能に差はない(クリックで拡大) 出典:ホンダ、トヨタ自動車

 水素タンクについても、耐圧が70MPaであり、2個のユニットを搭載する点で同じだ。ホンダは、2008年にリース販売を開始した燃料電池車「FCXクラリティ」では35MPa耐圧の水素タンクを使用していたが、Honda FCV CONCEPTではミライと同じ70MPaに変更し、水素の充てん容量を増やした。これにより、水素が満充てん状態からの走行距離(JC08モード)は、ミライと同じ700km以上となった。

「Honda FCV CONCEPT」(左)と「ミライ」の特徴。両車とも、水素が満充てん状態からの走行距離は700km以上で、水素充てん時間は約3分だ(クリックで拡大) 出典:ホンダ、トヨタ自動車

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