トヨタ自動車が2014年度内の量産販売を予定しているセダンタイプの燃料電池車は乗車定員が4人だ。一般的なセダン車の5人よりも乗車定員が少ないのはなぜか。
トヨタ自動車は、「CEATEC JAPAN 2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日、幕張メッセ)において、2014年度(2015年3月)末までの量産販売を予定している、セダンタイプの燃料電池車を展示した。
同社は2014年6月、燃料電池車を日本国内で2014年度内に700万円程度の価格で量産販売を開始する方針を明らかにしている(関連記事:トヨタが燃料電池車の価格を700万円に低減、ハイブリッド車と部品を共用)。量産販売する燃料電池車はセダンタイプで、乗車定員は4人となっている。
燃料電池車は、燃料電池や水素タンクといった特有の部品に加えて、モーターやインバータ、二次電池などの電気自動車に搭載しているような部品も必要になる。このため、車両の全高が比較的低いセダンタイプの車両では、広い車室を確保しにくいと言われている。実際に、ホンダが実証実験のために開発したセダンタイプの燃料電池車「FCXクラリティ」の乗車定員は4人だ。一方、トヨタ自動車や日産自動車が開発したSUVベースの燃料電池車の実証実験車両は乗車定員が5人である。
では、トヨタ自動車が量産発売を予定しているセダンタイプの燃料電池車の乗車定員が4人なのは、やはり部品搭載によって車室スペースを確保できないためなのだろうか。CEATEC JAPAN 2014の会場で説明員に聞いたところ、「詳細は話せないが、燃料電池車としての未来感やプレミアム感を感じられるような内装にするため、乗車定員を4人にした」という回答だった。
この回答は、一般的なセダン車と同様に乗車定員を5人にできなくはないが、あえて4人にしたと受け取ることもできる。どのような内装になるのかも含めて、詳細な仕様の発表が待たれるところだ。
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