新型「コペン」、成功の鍵は「自分らしさの表現」にあり:車両デザイン(2/2 ページ)
営業面ではさらに積極的な施策を展開する。
まず、ダイハツ工業の販売店のうち約70店に、新型コペンの仲間が気軽に集い、交流できるドライバーズサロンとして「コペンサイト」を設ける。店舗内の一部スペースをコペンサイトに割り当てるショップinショップ形態を予定している。コペンサイトには、スポーツカーに詳しい従業員が「コペンスタイリスト」として常駐し、ユーザーにコペンの楽しみ方を提案する。
「コペンサイト」のイメージ(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
これらコペンサイトの他に、メーカー直営の情報発信拠点「コペンローカルベース」を開設する。第1号店は、神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜海水浴場近くに、2014年6月29日にオープンする予定。新型コペンを中心に、地域のダイハツ車のファンと対話したり、ファン同士が交流したりするオープンカフェがコンセプトだ。コペンをはじめダイハツ車の情報発進は行うものの、車両販売や試乗など販売店の業務は当面行わないという。
鎌倉に開設する「コペンローカルベース」のイメージ(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
またコペンサイトやコペンローカルベースを中核として、地域ごとにイベントを実施する。例えば、オープンカーで自然を満喫できるドライブイベント「オープンエアドライブ」などを行う。
これらの取り組みを「LOVE LOCAL by COPEN」というキーワードで実施していくという。
新型コペンは2014年5月19日から先行受注を始めている。発売日まで1カ月間の受注台数は約2300台。これは月間販売目標台数の700台の3倍以上になる。
好調な出足となった新型コペンだが、低空飛行が続く日本のスポーツカー市場において、700台という月間販売目標は極めて野心的だ。2002年発売の初代コペンは、月間販売台数がおおむね500台程度だったが、これを40%上回る必要がある。社長の三井氏が言う、「自分らしさの表現に向けたさまざまな施策」である、DRESS-FORMATIONによる樹脂外板の着せ替えや、コペンサイトやコペンローカルベースの開設によって、この野心的な目標を達成できるのか。新型コペンは、今後の展開でも注目を集めそうだ。
新型「コペン」の意味。コペンをアルファベットで書くとCOPENとなる。初代コペンは「Compact OPEN」からとってCOPENとしたが、新型コペンではCommunity of Open car lifeに由来している(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
新型「コペン」の各施策の名称には、矢羽のような形のブランドロゴ「コペンアロー」が使用されている(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
- 見えてきた新型「コペン」のカタチ
2014年6月の発売が決定したダイハツ工業の新型「コペン」。同年3月末の技術説明会に参加したプロダクトデザイナーの林田浩一氏に、注目を集める新型コペンが、どのような車両に仕上がるのかを分析してもらった。
- 新型「コペン」は「走る楽しさ」と「持つ喜び」を追求、価格も200万円以下に
ダイハツ工業は、2014年6月に発売予定の新型軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」の新技術として、「走る楽しさ」を支える高剛性のボディ骨格「D-Frame」と、「持つ喜び」を実現する樹脂外板の着せ替えが可能な「DRESSFORMATION」などを発表。価格も税込みで200万円以下を目指しているという。
- 「KOPEN」はモノづくりの新しい仕組みのアイコンとなるのか(前編)
ダイハツ工業の軽スポーツカーのコンセプトモデル「KOPEN」は、ボディに用いる樹脂外板の“着せ替え”ができることに加えて、その樹脂外板のデータを一般公開する方針によって注目を集めている。プロダクトデザイナーの林田浩一氏が、KOPENのデザイン担当者である和田広文氏へのインタビューを通して、その狙いを読み解く。
- 「KOPEN」はモノづくりの新しい仕組みのアイコンとなるのか(後編)
樹脂外板をスマートフォンケースのように“着せ替え”られる、ダイハツ工業の軽スポーツカーのコンセプトモデル「KOPEN」。このKOPENが生み出そうとしている「モノづくりの新しい仕組み」について、プロダクトデザイナーの林田浩一氏による分析と提言をお届けする。
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