日立製作所は、質問に含まれる複数の単語から最適な答えを選別する技術と、相手がうなずいたり首をかしげたりする動作から理解度を推定する技術を開発。ロボットが質問に対してより自然で柔軟な回答をし、さらに相手の反応を見て適切に対応できるようになる。
日立製作所は2014年5月20日、人とロボットとの自然なコミュニケーションに向けた人間共生ロボット「EMIEW2」の対話技術を開発したと発表した。
同社は、人間と共生するロボットとして、2005年に「EMIEW」を、2007年にEMIEW2を発表。既に2輪の自律走行や危険を予知して回避する運動機能、雑音の中から人の声を聞き分けるといった知的活動を可能にしている。
今回、同社では、人間共生ロボットが進化する上で最も重要とされるロボットと人との自由な対話に関して、新たに2つの技術を開発し、EMIEW2に搭載した。
新技術の1つは、質問に含まれる複数の単語から最適な回答を選別するもの。音声認識によって質問の単語列を取得し、あらかじめ学習した単語の並びなどのデータベースと比較して、知りたい対象とその属性に最適な回答を選べるようになった。特に、その学習法に認識の分野で注目される「Deep Learning」を使用したことで、認識の精度が上がったという。
もう1つは、うなずいたり首をかしげたりする動作から、相手の理解度を推定する技術だ。事前にEMIEW2と人との対話映像を分析して、反応に伴った動きを学習させる。実際の対話では、EMIEW2が内蔵カメラで相手を撮影し、動作を識別。学習から推測される反応と比較して相手の理解度を知るという、“より人間的な対話”ができるようになった。
これらの技術により、ロボットが質問に対してより自然で柔軟な回答をし、さらに相手の反応を見て適切に対応できるようになるという。
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