横河ディジタルのCANフラッシュプラグラマ&ロガーがWi-Fi対応、サイズも半減人とくるまのテクノロジー展2014

横河ディジタルコンピュータは、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、車載ネットワークであるCANを経由してECU(電子制御ユニット)のプログラム書き込みとデータロギングを行えるCANフラッシュプラグラマ&ロガーの新製品「NETIMPRESS air」を参考出展した。

» 2014年05月26日 14時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「NETIMPRESS air」と現行モデルのサイズ比較

 横河ディジタルコンピュータは、「人とくるまのテクノロジー展2014」(2014年5月21〜23日、パシフィコ横浜)において、車載ネットワークであるCANを経由してECU(電子制御ユニット)のプログラム書き込みとデータロギングを行えるCANフラッシュプラグラマ&ロガーの新製品「NETIMPRESS air」を参考出展した。2014年秋に発売する予定。

 NETIMPRESS airの特徴は大まかに分けて2つある。1つは、現行モデルの「NETIMPRESS next」と比べて大幅な小型/軽量化を実現していることだ。NETIMPRESS airは外形寸法が80.2×135×39.1mm、重量は270g以下。外形寸法が160×110×45mmで重量が600gのNETIMPRESS nextと比べて容積と重量は半減以下になっている。小型化する一方で、NETIMPRESS air単独でも操作ができるように、液晶ディスプレイと入力インタフェースも備えている。「CANフラッシュプラグラマーの操作はPCを使って行うことが多いが、PCのOSが刷新されると操作ソフトウェアが使えなくなったり使いにくくなったりする。製品本体に操作インタフェースがあれば、こういったPCのOSに依存する問題と無縁でいられるので、顧客から高い評価が得られる」(同社の説明員)という。

横河ディジタルコンピュータが展示した「NETIMPRESS air」。左の写真は、評価ボード(ルネサス エレクトロニクスの「RX630」を搭載)と接続してデータロギングを行っている様子。右の写真では、現行モデルの「NETIMPRESS next」とサイズを比較している(クリックで拡大)

 もう1つの特徴は、Wi-Fiによる無線通信で制御できるようになったことだ。NETIMPRESS airは制御用PCと接続する際にUSB 2.0インタフェース(High Speed)を利用できる一方で、2.4GHz帯のWi-Fi(802.11.b/g/n)を使って接続できるのだ。これにより、試作車から離れた場所でも、ECUのプログラム書き込みとデータロギングを行えるようになる。

 また電源については、USBインタフェースを使ったバスパワー供給に対応する他、車両側のOBDインタフェースからNETIMPRESS air側のVBATT端子に電力を供給することもできる。ECUと接続するためのCANを2チャネル備える。2チャネルより多くのチャネル数で同期した状態でECUのデータロギングを行いたい場合には、トリガーインタフェースを使って複数のNETIMPRESS airを接続すれば対応可能だ。さらに、車両側のOBDインタフェースとVBATT端子を接続しているのであれば、エンジンスタートに合わせてデータロギングを開始することもできる。なお、ECUに書きこむプログラムとロギングしたデータの保存には、SDメモリーカード(SDHC)を用いる。

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