ダイレクトモデリングとアセンブリ機能に合わせ、トポロジー(位相)最適化機能を備えた設計ツール「solidThinking Inspire 2014」は、新たに構造解析機能と簡略化/パッチ機能などを追加した。同製品は3Dプリンタとの組み合わせも有効だ。
アルテアエンジニアリングは2014年5月21日、概念設計ツールの新版「solidThinking Inspire 2014」を発表した。発売は同年6月初旬を予定している。solidThinking Inspireは、ダイレクトモデリングとアセンブリ機能に合わせ、トポロジー(位相)最適化機能を備えた設計ツールで、製品設計者や建築家、デザイナーなどを対象ユーザーとしている。トポロジー最適化とは、荷重や拘束、材料特性などの制約条件に対し最適な材料の配置(形状)を生成する技術で、部品の強度を損なうことなく軽量化できる。
solidThinking Inspire 2014は、新たに構造解析機能と簡略化/パッチ機能などを追加した。トポロジー最適化する前後の形状で構造解析し、応力や変位、安全係数などの結果を比較することも可能だ。
簡略化/パッチ機能はトポロジー最適化に不要な細部形状を簡単な操作で消す機能。ラウンド(フィレット)や穴を一括選択して削除する、凹形状を埋めてトポロジー最適化の適用領域を生成するなどできる。
solidThinking Inspire 2014が対応するファイル形式は、下記。
インポート
エクスポート
トポロジー最適化は、人が容易に発想できない、あるいは容易にモデリングできない形状を割り出す。金型の抜き方向やスタンピングなどを考慮した形状生成も可能だが、3Dプリンタ(3次元積層造形)による造形を想定するならそういった制約を掛ける必要はない。また3Dプリンタの造形コストは材料の量が大きく効いてくる。トポロジー最適化と3Dプリンタを組み合わせることで、世の中にない製品形状を実現する、あるいは強度を損なわずに材料を減らすことで造形費用を抑えるといったことも可能だ(関連記事:3Dプリンタで“俺iPadスタンド”を作ろう)。
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