今回は、プジョーとシトロエンの両ブランドを展開するフランスの自動車メーカー・PSAが、Bセグメントの小型車に展開している新開発パワートレインを紹介。この新開発パワートレインのエンジンと同様に、気筒数を減らして燃費を向上するダウンサイジングトレンドについても取り上げる。
いろいろ荒れに荒れた2月、皆さんは平穏に過ごされていますか?
関東地方を襲った大雪、投票率の低過ぎる都知事選、ソチオリンピック……節分が明けたばかりなのに、良くも悪くも何だか身辺騒がしい感じです。
ちなみに私は大雪当日、どうしてもハズせない仕事のため都内に出ていて、まんまと交通マヒにハマった1人なんです! でもこういうとき、台数が少ないから争奪戦にもなるけど、雪道運転に慣れたベテランのタクシードライバーさんの存在は心強いですね。
いち早くきっちりチェーンを巻き、さっそうとお客を連れ出すその姿に、「やっぱ最後に頼りになるのは自動車なんやわ〜(はーと)」と、暴雪のため高架の上に停止してしまった電車の中(!)から、はた迷惑な熱視線を無駄に送った私でした。そう、この日は電車で外出していたんです。普段の倍以上の時間をかけて、自宅の横浜に帰着できたときは、心身ともに消耗し切っていました……。
そんな大荒れの2月のさなかですが、興味深い発表がありました。
プジョー・シトロエン(プジョー株式会社、フランス語でPeugeot Société Anonyme、略称PSA)から、既存モデルに新しいパワートレインを搭載した4車種が展開されるというのです。
まずプジョーブランドからは、2012年にモデルチェンジしていたBセグメントに属するコンパクトカー「208」と、コンパクトクロスオーバーの「2008」。そしてシトロエンブランドからは、同じくBセグメントの5ドアコンパクトハッチバック「C3」と、3ドアコンパクトハッチバックの「DS3」。
このパワートレインこそ、今後のPSAの行方を担い新時代を切り開く(はず!)の、排気量1.2l(リットル)3気筒自然吸気(NA)エンジンなのでした。
パァ! 出たァ!(ますだおかだの岡田圭右さん風)
最近ちまたで大流行のダウンサイジングエンジンです。
キタキタ、とうとうフランス車にもこの風が吹いてきちゃいました。
一般的にフランスは、欧州の諸外国、特に隣国同士で比較されがちなエコ大国ドイツと比べ、エコロジーへの関心が浅いとされていますが、もはやそんなことは言ってられない。グローバルに展開する自動車メーカーにとって、マーケットはフランス国内だけではないのです。時代は燃費と二酸化炭素(CO2)排出量にかなりコンシャスになってきてしまいました。もはやエモーショナルで独創的なデザインや、不思議オシャレな内装といった、エスプリだけでは時代に取り残されてしまうこと間違いなし。
そこでPSAは、Bセグメントに分類される全ての新型車に、自社で新たに開発したこの排気量1.2lの3気筒DOHCエンジンを搭載することを決断しました。
それに「ETG(エフィシェント・トロニック・ギアボックス)5」と呼ぶ、これまた自社開発&製造のオートマチックモード付き5速トランスミッションとともに、停車時などにエンジンのアイドリングを停止し発進時にはエンジンを再始動する「ストップ&スタートシステム」も組み合わせています。フランス本国では「PureTech(ピュアテック)」と呼ばれる新パワートレインを打ち出したというわけです。偉大な決断!
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