日産自動車は、SUV「エクストレイル」をフルモデルチェンジし、2013年12月から国内販売を始める。自動ブレーキで衝突を回避する運転支援システム「エマージェンシーブレーキ」のセンサーは単眼カメラだけを用いており、価格も安価に抑えているという。
日産自動車は2013年10月24日、SUV「エクストレイル」をフルモデルチェンジし、同年12月から国内販売を始めると発表した。排気量2.0l(リットル)の直噴ガソリンエンジン「MR20DD」や、アイドルストップシステム、新型のエクストロニックCVT、走行抵抗の低減、軽量ボディなどによりJC08モード燃費は16.4km/lを達成している。価格情報は明らかにしていないが、発売時に発表する予定。
新型エクストレイルは、2013年9月開催の「フランクフルトモーターショー2013」で世界初公開された(関連記事:日産が新型「エクストレイル」を発表、「世界初」の快適走行システムを搭載)。欧州と日本ではエクストレイル、北米では「ローグ」の新モデルとして販売される。
Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)が共同開発したモジュールコンセプトのプラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」を用いて開発した第1弾車両であり、今後の日産ブランドで展開される統一デザインモチーフ「V-モーションシェイプ」をフロントフェイスに採用するなど、同社の新たなグローバル戦略を象徴する車両となっている。
国内販売モデルでは、時速30km以下であれば前方の車両や歩行者を検知して自動ブレーキを掛け、衝突回避や衝突被害の軽減を可能にする「エマージェンシーブレーキ」をはじめ、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「LDW(車線逸脱警報)」、「進入禁止標識検知」といった機能を持つ運転支援システムを、「エマージェンシーブレーキパッケージ」として提供する。
自動ブレーキで衝突回避が可能な運転支援システムは、レーザーレーダーやミリ波レーダー、ステレオカメラ、またはこれらの組み合わせによって実現されていることが多い。しかし、エマージェンシーブレーキパッケージの機能は、単眼カメラだけで実現されている。このため、「お求めやすい価格」(日産自動車)になっているという。なお、この単眼カメラは、ルームミラーの裏側の箇所に、車両前方に向けて設置される。
この他の運転支援システムとして、後側方の車両を検知してドライバーに注意喚起する「BSW(後側方車両検知警報)」もオプションで提供する。後側方の車両検知には、車両後部に設置したリヤカメラを用いる。自車両を上から見下ろす視点で周辺の映像を表示する駐車支援機能「アラウンドビューモニター」を搭載する場合、車両の前後左右にカメラを設置するが、車両後部のカメラはBSWのカメラとしても利用できる。
アラウンドビューモニターでは、日産自動車では初となる、車庫入れや縦列駐車を自動操舵で行う「インテリジェントパーキングアシスト」機能を設定した。
そして、これらの運転支援システムの情報は、メーター中央部に設置した「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」に表示される。
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