ルネサス エレクトロニクスは、カーナビゲーションシステム(カーナビ)などでフルセグの地上デジタル放送を受信する際のコンテンツ保護対応を、ソフトウェアベースの「コンテンツ権利保護専用方式(地上RMP方式)」で行うのに必要なミドルウェアを公開した。
ルネサス エレクトロニクスは、車載プロセッサ「R-Car」のユーザーイベント「R-Car Consortium Forum 2013」(2013年10月23日)において、カーナビゲーションシステム(カーナビ)などでフルセグの地上デジタル放送を受信する際のコンテンツ保護対応を、ソフトウェアベースの「コンテンツ権利保護専用方式(地上RMP方式)」で行うのに必要なミドルウェアを公開した。
現行のカーナビにおける地上デジタル放送のコンテンツ保護対応には、クレジットカードサイズのB-CASカードやSIMカードサイズのminiB-CASカードが用いられている。しかし、2013年3月から全国の放送局が運用を始めた地上RMP方式に対応した放送波であれば、一般社団法人の地上放送RMP管理センターが発行する鍵データと技術情報を用いて、ソフトウェアベースでのコンテンツ保護対応が可能になる。
カーナビメーカーにとっては、B-CAS/miniB-CASカードと対応コネクタが占めるスペースを使って新機能を盛り込めるようになる上に、車両内での振動によってB-CAS/miniB-CASカードが外れないような対策も不要になるのでメリットは大きい。
ルネサスは、この地上RMP方式をサポートする地上デジタル放送受信用ソフトウェアパッケージを、R-Carの第2世代シリーズのミッドレンジ向け製品「R-Car M2」の評価ボードとLinux上で動作させるデモンストレーションを披露した。同パッケージを使えば、R-Car M2に搭載するハードウェアIPを効率的に使用して、フルHD/60fpsのフルセグ地上デジタル放送を視聴できる。
なお、個別の機器に割り振られる鍵データと技術情報を参照するRMP処理については、地上デジタル放送の再生アプリケーションとともに、カーナビメーカー側でソフトウェアを準備する必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.