東芝、独自開発コプロセッサを搭載したモータ制御向けマイコンの量産を開始FAニュース

ARM Cortex-M3コアとコプロセッサ「新ベクトルエンジン」を搭載したモータ制御機器向けマイコン。ベクトル処理をコプロセッサが行うことでCPUの負荷を軽減する。

» 2013年09月26日 15時23分 公開
[MONOist]
東芝

 東芝 セミコンダクター&ストレージ社は2013年9月20日、独自開発のコプロセッサ「新ベクトルエンジン」と、ARM Cortex-M3コアを搭載したモータ制御向けマイコン「TMPM375FSDMG」の量産出荷を開始したと発表した。

 新ベクトルエンジンは、モータのベクトル制御をマイコンCPUとは独立して処理をするコプロセッサ。これまでのベクトルエンジンをベースとして、相変換や座標交換、PI制御などの処理を連続して行う処理スケジュール機能を改良し、デッドタイムや極小パルス保護、VDCフィルタリングなどの補正制御に対応するようになった。これにより、アプリケーションごとに求められる弱め界磁制御など、特殊制御をベクトル制御に組み込むことが容易になる。CPUリソースをシステム管理や通信処理に割り当てることで、性能を向上できる。

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 従来は1シャント電流検出のために、マイコンとモータ電流増幅用のアンプを別途準備する必要があったが、本製品はアンプを内蔵しているため、アンプ部品が削減でき、低コスト化に貢献する。さらに本製品は小型のSSOP30パッケージを採用しているため、モータ内部などのスペースが限られた場所での利用も可能としている。

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