「ミラ イース」のJC08モード燃費が33.4km/lに、「e:Sテクノロジー」が進化エコカー技術

ダイハツ工業は、2013年8月にマイナーチェンジを予定している軽自動車「ミラ イース」のJC08モード燃費が33.4km/lを達成する見込みだと発表した。2012年12月発売の「ムーヴ」に採用した、独自の低燃費技術「e:S(イース)テクノロジー第2弾」をさらに進化させて実現した。

» 2013年07月22日 16時35分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「ミラ イース」のロゴ

 ダイハツ工業は2013年7月22日、同年8月にマイナーチェンジを予定している軽自動車「ミラ イース」のJC08モード燃費が33.4km/lを達成する見込みだと発表した。2012年12月にマイナーチェンジしたハイトワゴンタイプの軽自動車「ムーヴ」に採用した、独自の低燃費技術「e:S(イース)テクノロジー第2弾」をさらに進化させ、これまでガソリンエンジン車で最も燃費が良好だったスズキの「アルト エコ」の33.0km/lというJC08モード燃費を0.4km/l上回った(関連記事:「エネチャージ」搭載でJC08モード燃費が33km/lに、スズキの「アルト エコ」)。

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「イーステクノロジー第2弾」がさらに進化

 ムーヴに採用したイーステクノロジー第2弾は、サーモマネジメント(熱管理)技術の適用、アイドルストップシステム「エコアイドル」のエンジン停止タイミングを時速7km以下から時速9km以下に変更したこと、粘度の低いCVT(無段変速機)フルードの採用、CVTの変速ギヤ比のハイギヤ化、フロント意匠の変更による空力改善などから構成されていた(関連記事:新型「ムーヴ」の燃費は「ワゴンR」以上、走行性能でも「N-ONE」に対抗)。

 2013年8月にマイナーチェンジするミラ イースでは、イーステクノロジー第2弾をさらに進化させて搭載した。進化ポイントは大まかに分けて5つある。

 1つ目は、EGR(排気再循環)量の制御によりポンピングロスを低減する「i-EGR」をさらに進化させた「クールドi-EGR」の採用である。EGRクーラーにより、再循環させる排出ガスの温度の低減によって吸気温度も下げて異常燃焼を抑制。吸気温度の低減に合わせて点火タイミングを最適化し、ガソリンの噴射量を減らすことで燃費向上につなげている。

 2つ目は、エンジンの同期をとるためのタイミングチェーンの形状変更だ。背面形状を従来のストレート型からカーブ型に変更し、チェーンガイドとの接触面積を少なくして、フリクションロス(摩擦損失)を低減した。

 3つ目になるのが、空力性能を向上するための意匠や空力パーツの採用である。フロントバンパーの「エアロコーナー」と呼ぶデザインにより、前方から来る風を素早く、スムーズに後方へと流せるようにした。また、フロアアンダーカバーの採用により、車両下部の空気の乱れを整流化して走行抵抗を低減した。さらに、タイヤディフレクターを使って、フロントタイヤへの空気の巻き込みを抑制。加えて、ローダウンサスペンションの採用で車高を10mm下げ、車両下部に入り込む風を低減している。

 4つ目は、エコアイドルのエンジン停止タイミングの変更である。ムーヴの場合、時速9km以下でエンジンを停止すのるように設定していたが、ミラ イースでは時速11km以下にタイミングを早めて燃費向上につなげている。5つ目は、減速エネルギーを回生するオルタネータの発電効率の向上となっている。

 この他、四輪駆動車の燃費を向上するために、後輪のディファレンシャルギヤを、ハイポイドギヤからスパイラルギヤに変更した。これによりギヤ同士の歯面滑りが最小化され、摩擦損失を削減できる。ギヤ形式の変更に合わせて、ディファレンシャルギヤ内の潤滑オイルを低粘度のものに置き換えており、撹拌(かくはん)抵抗も低減されている。

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