Ford Motor(フォード)は、自動運転技術によって車両の耐久試験を実施できるシステムを開発したと発表した。人間のドライバーに代わってロボットモジュールが自動運転を行うことで、耐久試験の時間や回数を増やせるようになる。ロボットモジュールによる自動運転の様子も映像で公開されている。
Ford Motor(フォード)は2013年6月15日(米国時間)、自動運転技術によって車両の耐久試験を実施できるシステムを開発したと発表した。米国ミシガン州ロメオに位置するミシガン性能試験場で運用されており、2014年に市場投入する商用バン「Transit」の新モデルの耐久試験に適用している。
同社のピックアップトラックや商用バンは、「Built Ford Tough」というキャッチフレーズに代表されるように、高い耐久性が特徴となっている。この耐久性を保証するために行っている耐久試験は、これまでは人間のドライバーが運転して行っていたため、時間や回数に制限があった。
新たに開発した自動運転技術による耐久試験はこの制限を取り払うものだ。また、これまで耐久試験を行っていたドライバーを配置転換し、ノイズや車両運動性の試験に注力することもできるという。
今回発表した耐久試験用の自動運転技術は、試験車両内に組み込まれた、ステアリング、アクセル、ブレーキを操作するロボットモジュールによって実現している。ロボットモジュールは、あらかじめ決められたコースを走行するようにプログラムされている。車両位置は、車載カメラとGPS(全地球測位システム)によって±1インチ(2.54cm)以内に制御できるという。万が一、走行コースを外れても、外部から車両を停止させられる仕組みも搭載している。また、走行コースに入ってきた歩行者や他の車両を検知すると、自動的に停止する機能も備える。
耐久試験用の自動運転技術の開発は、米国のロボット開発企業Autonomous Solutionsと共同で行った。また、開発目的については、「耐久試験に携わっていたドライバーの安全確保」と「フォード製車両の耐久性のさらなる向上」の2点を挙げた。Googleなどが手掛ける、ドライバーがいなくても市街を自動運転できる車両の開発は、目的に含まれていないとしている。
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